8月1日、UNHCR駐日事務所は第6回「難民支援の現場から」において、スーダンの(ダルフールおよび南部の二本立て)報告会を開催、政府関係者、学生、有識者、NGO職員など約70名が出席しました。
UNHCRのロバート・ロビンソン駐日代表による挨拶の後、4月に赤十字国際委員会(ICRC)主催のダルフールへ視察に参加された外務省国際協力局の野呂元良人道支援室長より、現地の状況について報告がありました。野呂室長によると、ICRCはダルフールで中立を保ちながら約9万人の避難民支援と井戸の修復、人権に関する教育などに取り組んでいます。日本はこれまでスーダン難民・国内避難民に対して1億米ドルの支援を行っています。(内、2004年12月から今日までで1861万米ドルがUNHCRを通したスーダン向け人道支援。)野呂室長は、人道支援活動には政府・国連・NGOの団結が必要であると強調しました。続いて、UNHCRジュネーブ本部ダルフール担当デスクの河原直美より、ダルフール地方での190万人いるといわれる国内避難民に対するUNHCRの支援内容について説明がありました。南スーダンの状況が改善されつつある中、ダルフール地方は依然と厳しい状況にあり、いっそうの支援が求められています。
ジャパンプラットフォーム事業部の菊池慎吾氏は、ADRA Japan、難民を助ける会、ピース ウィンズ・ジャパン、ワールド・ビジョン・ジャパンの4団体が、UNHCRやWFP(世界食糧計画)と協力しつつスーダン南東部の3州で、ニーズの高い井戸やトイレの整備、マラリア対策などの分野で支援活動を行っていくと報告しました。続いて、日本国際ボランティアセンターの浜口龍太スーダンプロジェクト技術アドバイザーからは、帰還と帰還後に不可欠な車両の修理・整備工場の再生に取りかかっていることが報告されました。浜口氏は、工具や部品の不足を訴えながらもスーダン人は仕事に対する熱意と高いモラルを持っていると語りました。最後にJICA社会開発部より不破雅実調査役と清水康子援助協調シニア・アドバイザーより、平和構築支援という視点からJICAが行っている難民・帰還民の受け入れコミュニティー全体に対する支援活動について具体的例をあげた説明がされました。
終了予定時刻を越えての発表となりましたが、現場の報告に出席者は最後まで熱心に耳を傾け、続いて行われた懇親会でも発表者への質問が続きました。
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