赤と青のジャージに身を包み、砂ぼこりが舞うフィールドに入場する選手たち。大声援に押され、ケニア北西部のカクマ難民キャンプでカクマ・ユナイテッドの試合が始まります。
カクマ・ユナイテッドには、地元ケニアの若者たちと、カクマ難民キャンプ、近隣のカロベイエイ難民居住区で暮らす難民など、7カ国の選手が所属しています。キャプテンのボス(24)はキャプテンマークを腕に巻き、「国籍、宗教、文化は違いますが、一つ共通点があります。それは、サッカーへの愛です」と誇らしげに語ります。
ボスは10歳の時、南スーダンでの紛争の影響からカクマ難民キャンプに避難し、14歳でサッカーを始めました。「ここに来てから、自由にどこにでも行けるし、サッカーもできる」。彼にとってカクマは、多くのチャンスを与えてくれる“家”となりました。
「難民とケニアの若者にとって、サッカーは人気のスポーツ。ここ、カクマではスポーツマンシップを超え、難民と受け入れコミュニティにとって、“団結・平和・愛”の象徴となっているのです」と、UNHCRケニア カクマ事務所代表は語ります。
ケニア出身のニコラス(22)は、「出身に関係なく、いろいろな国の選手とプレーすることはとても楽しい。キャプテンはとても頼りになります」と話します。
カクマ・ユナイテッドには、女性ファンも多くいます。その一人であるジョジェテは、チームのメンバーである息子のために、10キロもの距離を歩いて応援に駆けつけています。実は彼女自身も幼いころ、サッカーに情熱を燃やした時期があったとのこと。「3人の息子が将来有名な選手となって活躍できるよう、小さいころからサッカーを教えてきました」。
昨年、カクマ・ユナイテッドはUNHCRとパートナー団体の支援により、ケニア・ナショナルリーグの2部リーグへの登録を行いました。
現在は1部リーグ昇格を目指し、汗を流し、懸命に練習に取り組む日々です。
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