UNHCR駐日事務所では、各部署で常時1-2名のインターンが活躍しています。
UNHCR、国連のインターンに興味はあるけれど、どんな経験ができるんだろう・・・。そんな学生さんたちの疑問にお応えして、2018年9月から2019年2月まで広報インターンを務めた鈴木啓太さんと塚本麻衣さんに話を聞きました。
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▶ UNHCRのインターンに応募した動機は?
鈴木(S):小さいころからニュースを見ていて、「国連で働いている人ってかっこいい」と思っていました。大学2年の時、大学でニューヨークの国連本部に行けるプログラムがあり、国連の世界をのぞく絶好の機会だと思って参加しました。
その後、インドのNGOで6週間のインターンを経験し、国連機関がどう機能し、NGOなどとどう連携しているのかに興味を持ちました。ニューヨークではUNHCRの職員の方に話を聞くチャンスがなかったこともあり、駐日事務所のインターンを通じて、UNHCRの活動を深く知りたいと思いました。
塚本(T):高校時代に模擬国連部に入っていて、「将来の夢は国連職員」と自然に思うようになりました。
UNHCRに関心を持ったのは、私自身が高校までハワイで育ち、移民として暮らしてきた経験が影響しているように思います。最初は、難民の助けになりたいというよりも、UNHCRの仕事に携わってみたいという気持ちが大きかったです。
国連職員がどんなキャリアを積んできているのか、どうスキルを生かして働いているのか、自分の目で確かめてみようとインターンに応募しました。
▶ インターンを始めて変化したことは?
S:実はインターンを始めるまで、日本にここまで難民がいるということを知らず、基本の基本からのスタートでした。広報インターンなので、何を発信するにも責任が生じる。責任感を持って勉強できました。
T: UNHCRの中で駐日事務所がどのような機能を果たしているのか、最初はよく分かっていませんでした。インターンを始めてみて、意外と人数が少ないんだなと。一人ひとりの裁量や責任がものすごく大きくて、でも、皆さん生き生きと働いているのが印象的でした。
S:毎朝、広報と渉外のインターンで、難民やUNHCRに関わるニュースのクリッピング作業を行います。苦労したのは、日本語のニュースのタイトルの英訳。意訳でなく、日本語でどう表現されているのか、そのニュアンスまで知りたいと駐日代表からコメントをもらい、言葉の選び方や順序を工夫しました。
T:広報チームの一員として、言葉に細心の注意を払わなければならず、良いプレッシャーでした。英訳を間違わないのは大前提。日本のメディアの報道やSNSなどの統計をまとめる時は、自分が携わったものがジュネーブ本部やアジア局にいくのだと、気が引き締まりました。数字の正確さはもちろん、エクセルやワードの書式にも気を配るように心がけたので、情報処理能力がアップしたと思います。
▶ 特に印象に残っている仕事は?
S:フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官が来日した時、写真撮影を担当しました。記者会見やシンポジウムの会場を動き回って写真を撮って、所内のミーティングでは、グランディ高等弁務官のキャリアパスについて質問しました。そうしたら顔を覚えてもらえて、最後に声をかけてもらえたのは一生の思い出です。
シンポジウムでは、ポスターのデザインも任せてもらいました。これまでは自分の大学の課題のために作っていただけでしたが、大きな機関の成果物として掲示された時、少しでも役に立てた気がしてうれしかったです。
T:日本記者クラブなどで行われる会見に同行できたのは貴重な経験でした。UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の事務局長の会見に職員の方と出席して、会見内容をまとめて所内でシェアしました。ほかにも、UNHCRのスポークスパーソンが来日した時に広報主催で行ったイベントにも関わることができ、広報インターンとしてぜいたくな時間でした。
T:UNHCR本部のウェブサイトで紹介される苦境の中にあっても輝く難民の人たちのストーリーに感銘を受けました。その翻訳作業には苦労しましたが、“伝わる日本語”のトレーニングになりました。
S:そのまま翻訳するのではなく、日本の人たちに分かりやすいように、必要な情報をピックアップして再編集して翻訳するのが難しかったです。タイトルも何度も考え直して、絶対に採用されるぞと思って工夫しました。
▶ UNHCR職員の印象は?
S:ほとんどの人がこれまで別の仕事を経験しているので、いろいろなキャリアの話を聞くことができました。皆さんに共通しているのは、「人のためになる仕事がしたい」という思い。その目標に向かって突き進んでいて、社会人としての生き方を学ぶことができました。
T:「UNHCR職員はこういう人」という一つの定まったイメージがない、多様性のある組織だと思いました。お互いの長所と短所を理解し、補い合いながら仕事しているのを見て、チームワークの大切さを実感しました。
▶ 将来生かせそうなことは?
S:国連機関は、いろいろなバックグラウンド、スキルを生かすことができる場であるということが分かりました。自分にとってのチャンスが少し見えたような気がします。
T:積極的になることでおもしろい経験ができ、多くの職員さんと関わることができました。与えられるのを待つのではなく、自発的に仕事を探していく。自信を持って主張できることが、自分の手で将来をつかんでいく上で大切なスキルだと気づきました。
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「自分の強みややりたいことを伝えれば、いろいろなチャンスがある」と話す鈴木さんと塚本さん。UNHCR駐日事務所のインターンに関心のある方は、採用情報を定期的にチェックしてみてください。