「何校もの大学から入学を拒否された難民でも、パイロットを目指すことができるの」
12月初旬、ジュネーブで開催されたTEDxPlaceDesNationsWomenでのシリア難民学生マヤ(22)のスピーチ。「大学で勉強したいと思ったのは、航空学が楽しそうだと思ったからだけじゃない。みんなを見返してやりたかった」
3年前、家族統合のビザを取得したマヤは、シリアの首都ダマスカスからイギリスへと避難してきました。言葉の壁、大学からの相次ぐ入学拒否、ジェンダー差別などを乗り越え、ロンドンのブルネル大学パイロット・航空工学コースの合格をつかみ取るまでのストーリーを熱く語りました。
今回開催されたTEDのテーマは、女性のエンパワメントとジェンダー平等。11人の女性がスピーカーとして登場しましたが、彼女たちの声はほんの一部です。
世界で高等教育を受けることができる難民はわずか1パーセント。マヤは自分と同じ志をもつ難民に教育の機会が広がるよう、奨学金や大学へのアクセスの拡大を訴えました。
無国籍者をなくす活動を続けるマハ(30)は、シリア人の両親のもとに避難先のレバノンで生まれました。しかし生まれてからずっと、厳格で複雑な法律、二国間で結ばれた市民登録と国籍に関する取り決めにより、市民権を手にすることができませんでした。
一切の身分証明書を持たず、30年間、“影”の存在として生きてきたマハ。今年10月、ついにブラジル国籍とパスポートを得ることができました。
「この世に存在しているという証しを得たの。30年間を無国籍者として生きてきたんだから」
学校で学ぶこと、旅行することはもちろん、医療サービスへのアクセスもできない、SIMカードを買うこともできない・・・、社会のマイノリティーとして生きてきた過酷な人生について語りました。
「今、私はブラジル人になりました。誰もが国籍をもつ権利があると伝えたい」
2018年は#MeToo や#TimesUP などの動きにより、女性のエンパワメントを進める上で節目となった年でした。女性が自身の力を発揮する場が増えれば、コミュニティや社会全体にとって大きな力となるー。今回のイベントに登壇した難民の女性たちもそう訴えています。
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