ミャンマーから逃れたロヒンギャ難民が多く暮らすバングラデシュのコックスバザール。6月ごろからモンスーンの季節に突入したこの地域では、例年1カ月あたり5~600ミリの平均降水量が、1000ミリを超えています。
UNHCRはバングラデシュ当局やパートナー団体と連携し、地すべりや洪水のリスクの高い場所で暮らすロヒンギャ難民の避難に早い段階から着手。早急に避難を必要とする約4万1000人のうち、半分以上の避難が完了しています。
また、バングラデシュ政府のイニシアチブのもとに緊急対応チームを結成。過去数カ月の間に研修を受けた数百人の難民ボランティアも加わり、難民家族のニーズに迅速に対応できるような仕組みづくりが進められています。
世界最大規模、60万人以上が暮らすクトゥパロン難民キャンプでは、インフラの整備も急務とされています。現時点では、32キロの道路、45キロの階段、63キロの防壁、2324メートルの橋が建設され、94キロの排水路が整備されました。また緊急時に備えて、すでに116の貯蔵倉庫の確保、20の公共施設の改修が完了しています。
現時点では、国連が実施しているバングラデシュでのロヒンギャ難民対応に対して、必要な資金の32%しか集まっていません。UNHCRは各国政府や個人からの支援に感謝の意を述べるとともに、難民やホストコミュニティを支えるために、さらなる支援を呼びかけています。
昨年8月25日、ミャンマーのラカイン州で衝突が起こってからまもなく1年。今なお日々緊急対応が必要とされているバングラデシュでは、今後の中期的な支援に向けて、国際社会からの協力が求められています。
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