コロンビアの田舎で暮らすダニエラが、初めて身に危険を感じたのは2009年のこと。午前2時、近くの村で新年を祝っていた時に、突然2人の男が近づいてきました。
「子どもたちに示しがつかない。ここからいなくなるまで1日の猶予をやる」
LGBTIの活動家であるダニエラに発せられた言葉。「生きた心地がしなかった」と当時を振り返ります。母と幼い息子と仕事を残し、翌日首都ボゴタへ渡りました。
ボゴタでもLGBTIの権利を守るために活動を続け、パートナーのソフィアと出会いました。10歳になる息子とも再会でき、4年間は比較的平和な生活でした。
しかし、また嫌がらせが始まりました。
名前の書かれたポスターを貼られたり、いたずら電話が続く日々。友人の活動家が2人殺害されたことを知り、ボゴタを去らなければならない時が来たと悟りました。
2016年12月、ダニエラたちはスイスへ渡り庇護申請をしました。難民の受け入れ施設で3ヶ月過ごした後、地域の団体の助けもあり、スイスで安全に暮らせるようになりました。新しく生活を建て直そうと日夜勉強に励み、ボランティアをしています。息子は学校で新しい友達を作っています。
ダニエラは「息子が幸せに過ごし地域に溶け込む様子、将来彼がここで得られるチャンスを考えると、家族でスイスで人生を築いていくことが願いです。ただ、もし状況が許すならば、いつの日かコロンビアへ戻ってLGBTIの人々を支えたいと思っています」と語ります。
UNHCRは、LGBTIの難民や庇護申請者の権利を守り、故郷を追われた人々を支えるネットワークの重要性を発信すべく支援を続けています。
▶くわしくはこちら(英語)