6月18日、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は北アフリカのリビアで、地中海を渡って逃れようとして命を落とした何千人もの難民や移民をしのび、海に向かって献花を行いました。
「この海で起こっている悲劇的な死は、紛争や貧困により、財産、尊厳、そして命を賭けて、絶望的な旅に繰り出さざるを得ないということを意味しています。その根本となる原因を突き止め、リビアをはじめ地中海ルート周辺の国々の状況を改善することは、今までになく緊急の課題となっています」
翌日にも約100人の乗客を乗せたボートがリビアの沿岸で転覆し、生存者5人を残して命を落としたほか、さらに別の場所で、約130人が乗っていたゴムボートが沈み、70人が溺れて亡くなりました。20日にはリビア沿岸警備隊が、首都トリポリから64キロ離れたガラブリで救助活動を行っています。
2018年に入ってから、地中海中央部での死者数は1000人を超えています。リビア沿岸警備隊は8000人を超える人々を沿岸で救助し、UNHCRとパートナー団体により、水や食糧、救援物資、医療支援の提供が行われてきました。
UNHCRはNGOや商業船などの関係者に対して、地中海での救助活動を早急に強化することを求めています。また、これ以上犠牲者を生まないために、リビア沿岸警備隊によって救助された難民が、拘留ではなく別の方法で保護を受けられるようにするべきであるとして取り組みを進めています。
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