6月9日、世界初の難民キャンプでのTEDイベント、“TED×KakumaCamp”が開催されました。
この歴史的イベントの舞台となったのは、ケニア北西部に位置するカクマ難民キャンプ。この日のために、キャンプ内の学校の前庭に特設テントがたてられました。 1992年にスーダン難民の受け入れのためにつくられ、現在はアフリカ各地で紛争により住む場所を失った人々が暮らしています。
当日会場には、地元住民、企業のスポンサー、ケニアの代表者、外国政府、NGOなどの関係者が一堂に会しました。さらに、ケニアの携帯会社であるサファリコムの協力を得て、世界中から何万人もの人々がライブ配信を通じて参加しました。
ステージには、難民だけでなく、活動家やモデル、俳優など、さまざまな立場から“難民”に関わる人たちがスピーカーとなって登場。暑さやほこりと戦いながら、難民として体験したことを語ったり、新たな支援のあり方を提案するなど、画期的な視点や考えを披露しました。
リオ五輪に「難民選手団」の陸上選手として出場し、カクマ難民キャンプで暮らしていた南スーダン出身のピュール・ビエル(23)が自身の体験を共有すると、観客は歓声に沸きました。「誰もが人生において困難に直面します。そこから逃げることも向かっていくこともできますが、大切なことは、いかなる時も道をそれることなく、走り続けることです」。
そのほかにも、UNHCR親善大使であるスラム出身の詩人エミ・モハマドや、ケニアのヒップホップアーティストのオクトピゾなどのスピーチも注目を集めました。
“TED×KakumaCamp”のスポンサーであるH&Mのグローバル・マネージャーは、「難民のスピーカーたちが諦めることなく、困難を乗り越える姿が素晴らしかった。置かれている環境や立場は違っても、みんな似ているところがあることを再認識する場にもなったのでは」と語りました。
当日の様子はUNHCRのFacebookで視聴可能。これからYoutubeにもアップされる予定です。
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