リオデジャネイロ オリンピックに「難民選手団」のスイマーとして出場し、昨年最年少のUNHCR親善大使に任命されたユスラ・マルディニ。今月、彼女の半生を綴った書籍『Butterfly』がベルリンとロンドンで出版されました。
ユスラは17歳のころ、激しい争いが続くシリアからの避難を余儀なくされました。しかし、トルコからギリシアに逃れる途中にボートが故障。姉と一緒に海に飛び込み、数時間ボートを押し続けて同乗していた20人の命を助けました。その勇気と水泳の能力が国際オリンピック委員会(IOC)に認められ、史上初の難民選手団の一員として、2016年のリオデジャネイロ オリンピックに出場しました。
そんなユスラの姿は多くの人に感動と勇気を与え、『People』誌の「世界を変える25人の女性」、『Time』誌の「最も影響を与えた10代30人(2016年)」にも選ばれています。
今回の出版に際して、ユスラは先日UNHCR親善大使として訪れたイタリア視察について語っています。「アフリカから逃れてきた難民たちに話を聞き、私の経験と比べものにならないくらいの過酷な現実に、心が締め付けられるような思いがしました。また、UNHCRが難民たちを救うために、懸命に活動していることも実感しました」。
「水泳は私にとって “家族”のような存在。それさえあれば良かったのです」と語るユスラ。今は2020年の東京オリンピックに向けて、ベルリンでトレーニングを続けています。
日本語の翻訳本は、2018年10月に出版予定です。
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