「教育こそが、私たち難民が夢と権利のために闘うことができる最大の武器です」
そう力強く訴えるのは、5年前、シリアからヨルダンに逃れたムズーン・ムライハーン。彼女はその時、避難先でも学校へ通えるかどうかとても不安でした。
「難民キャンプでも学校に通えると分かったその瞬間、私の人生は変わりました。希望を持つことができ、私を強くしてくれたのが学校なのです」
以来、子どもたちの教育の大切さを訴えたいと、啓発活動に取り組むようになったムズーン。現在20歳、家族とともにイギリスに移住し、世界最年少のUNICEFの親善大使も務めています。
先日は、スイスのジュネーブで開かれた「難民の子どもに教育へのアクセスを」をテーマにした会議に出席し、今年9月に発表される「難民に関するグローバル・コンパクト」において、教育を最重要課題のひとつに挙げるべきだと、各国政府の代表者に訴えました。その場にいた他のスピーカーたちも、故郷のクラスメイトと離れ離れになってしまった難民の子どもや若者たちに、質の良い教育への適切なアクセスを確保すべきだと呼びかけました。
こういった意見をもとに、難民の子どもたちが避難先でも教育を受けることができるようにするためには、受け入れ側の政府への技術的、資金的な支援が必要であること、また、難民たちが現地の学校にスムーズに溶け込めるようなプログラム、言語習得のサポートの重要性などが議論されました。
UNHCRの調査によると、世界で91%の子どもたちが小学校に通っているのに対し、難民の子どもたちは61%しか通えていません。中学校になるとその割合は23%にまで下がり、大学に通うことができるのはわずか1%にとどまっています。
質の良い教育はすべての根幹であり、難民の子どもたちを守り、未来への希望につながる道を切り開くものーこういった考えのもと、UNHCRとしても引き続き支援を強化していく方針です。
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