急激なインフレーション、食糧や医薬品の不足、暴力と政治的混乱などによって、ベネズエラから多くの人が逃れてきているブラジル。2014年以降、世界各地に庇護を求めて逃れるベネズエラ人は急増しており、昨年から特にアメリカ大陸への避難が集中しています。
「私たちはすべてを置いてきました」
仕事がなく生活に困窮していたナエビス(34)は、不安を抱きながらも、ブラジル北部ロライマ州の州都ボアビスタにたどり着きました。
2017年のはじめからこの国境沿いの町には約4万人が逃れ、人道支援や保護を求めています。
「ここに来たころは、住む場所も寝る場所も、食べるものさえもありませんでした」
こうした声を聞き、行動を起こしたのがブラジルの人々でした。数人の有志がボランティア団体「SOSハーマノス」を立ち上げ、難民たちに食糧や衣服、家具などを提供しているほか、仕事を見つけるための支援も行っています。
「私たちはSOSハーマノスの活動に、本当に助けられています。彼らの行動は、ブラジルとベネズエラの人々をつなぐ、結束の象徴です」とナエビスはいいます。
SOSのメンバーたちにも願いがあります。自分たちが行動を起こすことで、必ずしもすべてが難民の受け入れに好意的ではない、受け入れコミュニティの変化にながると信じています。
UNHCRはこの急増するベネズエラからの難民支援に対応するために、昨年6月にボアビスタと近隣のマナウスにオフィスを開設。難民の登録や滞在申請を担当している警察を支援したり、難民受け入れのためのガイドラインを発行するなど、現地政府やパートナー団体と協力しながら取り組みを強化しています。
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© UNHCR/Reynesson Damasceno(UNHCR、パートナー団体、受け入れコミュニティなどが協力して、ベネズエラからの難民を支援)