南フランスのオキシタニー地域の議会、NGO、大学が連携して、ヨルダンに逃れたシリア難民に対して、フランスで大学に通うための奨学金を支給する取り組みが進められています。
UNHCRの報告によると、世界の大学進学率が34%であるのに対し、難民は全体の1%にも満たないといいます。
このプログラムには、大学の学費だけでなく、1年間のフランス語の集中指導、毎月の生活費やビザの手続きに関する支援なども含まれており、UNHCRは特に、選考プロセスと行政手続きの面を支援しています。
ヨルダンで建築学を学んでいたエイアス・エルネジャ(26)は、学費が払えないため卒業をあきらめていました。しかし、昨年秋からこのプログラムを通じて奨学金を受け、オキシタニー地域の大学で学ぶ機会を得ています。
「ここではみんなが、私を難民としてではなく、学生として見てくれます。これから自分の人生に、きっと素晴らしいことが起こると確信しています」
フランスでも建築学を学び続けたいと意気込んでおり、他の難民たちにも、どんな困難に直面しても希望を捨てないように呼びかけたいと話しています。
学びの機会を得ることは、若い難民が自立して未来を築き、紛争地域の復興を支えることにもつながります。UNHCRは難民に関するグローバル・コンパクトの採択に向けて、難民受け入れの手段のひとつとして、第三国定住における奨学金制度の拡大を推進していきます。
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