執行委員会は、
海上で遭難している庇護希望者の救助に関する問題について、次の結論を採択した。
- 船舶の船長が、海上で遭難しているいずれの者(庇護希望者を含む。)も救助し、かつ、その者にあらゆる必要な援助を与える国際法上の基本的義務があることを想起する。海洋運航国は、船舶の船長が当該義務を厳密に遵守することを確保するためあらゆる適切な措置をとるべきである。
- 海上で遭難している庇護希望者の救助は、一定の沿岸国から上陸の条件として求められる再定住の保証を、救助した船舶の旗国が行うことによって促進されてきた。庇護希望者の救助は、DISERO計画にもとづく再定住の事前保証に貢献する関係国の合意によっても促進されてきており、当該再定住の保証はさらに奨励されるべきである。すべての国家が、今後も、海上で救助された庇護希望者に対して恒久的解決を提供すべきである。
- 海上で救助された者は、関連国際文書によって確認されている確立した国際慣行に従って、通常、次の寄港地での上陸が許可されるべきである。この慣行は、海上で救助された庇護希望者の場合にも適用されるべきである。大量流入の場合において、海上で救助された庇護希望者は、常に、少なくとも一時的に入国を許可されるべきである。各国は、国際的連帯および負担配分の原則に従って行動することにより再定住の機会を付与し、上陸の促進を援助すべきである。
- 多数の国家の協調行動により、これまで多くの再定住の機会がボート・ピープルに提供され、現在も提供され続けている。こうした事態の展開を考慮すれば、第一次寄港国は、上陸の前提条件として再定住の保証を求めるという現在の政策を見直すことを希望するようにならないか、という問題が生じる。もちろん、沿岸国が実務慣行を見直すまでの間は、上陸を促進する現在の措置を継続することが望ましい。
- 海上にある庇護希望者の救助、上陸および再定住から生じる問題の複雑さを考慮して、高等弁務官に対し、最も関係のある海洋国、沿岸国ならびに再定住の可能性のある諸国ならびにこの分野において能力を有する国際機関の代表から成る作業部会を早い機会に招集するよう要請する。作業部会は、言及された様々な問題を研究し、解決策となる原則および措置を講じ、執行委員会第33会期に当該問題に関する報告を提出すべきである。
*1国連総会文書No.12A(A/36/12/Add.1)に含まれている。