執行委員会は、
- 難民の地位を認定する手続の重要性に関する高等弁務官の報告に留意し、
- 1951年条約および1967年議定書にもとづく難民の地位を正式に認定する手続を設置している締約国が限られていることに留意し、
- ただし、多数の政府が当該手続の設置について積極的に検討していることに満足の意をもって留意し、
- 1951年条約および1967年議定書の締約国のうち、当該手続を設置するための措置を未だとっていないすべての政府が、近い将来その措置をとり、ならびに、当該手続にUNHCRが適切な形で参加することについて好意的な配慮を払うよう希望し、
- 難民の地位を認定する手続が、次の基本的な要件を満たすよう勧告した、
- 締約国の国境または領域内において申請者が出頭する先の権限ある係官(例えば、入国審査官または国境警備官)が、関連する国際文書の範囲内に入る可能性のある事案の処理について明白な指示を受けていること。当該係官は、ノン・ルフールマン原則に従って行動し、当該事案を上級機関に付託するよう要請される。
- 申請者が、従うべき手続の内容について必要な教示を受けること。
- 難民の地位についての申請を審査し、第一次的な決定を下す責任を有する明白に特定された機関――可能な限り単一の中央機関――があること。
- 申請者が、事案を関係機関に提出するために必要な便宜(能力ある通訳の提供を含む。)を受けること。申請者は、国連難民高等弁務官事務所(以下UNHCR)の代表と接触する機会も与えられる。申請者は、当該機会について適切に周知される。
- 申請者が、難民と認められた場合に、その旨を適宜告げられ、難民としての地位を証明する文書を交付されること。
- 申請者が、難民として認められなかった場合に、既存の制度に従って、同一の機関または異なる機関(行政機関であると司法機関であるとを問わない。)に当該決定の正式な再審査を求めるため相当な期間を与えられること。
- 3. の権限ある機関が最初の申請について決定を下すまでの間、申請者が当該国にとどまることを許可されること。ただし、当該機関が当該申請を明らかな濫用と立証した場合を除く。申請者はまた、高次の行政機関または裁判所への不服申立てが係属している間、当該国にとどまることを許可される。
- またUNHCRに対し、1951年条約および1967年議定書の締約国の意見に相応の考慮を払い、難民の認定の域外効果の問題について詳細な研究を行うよう要請する。当委員会は、難民条約および議定書の締約国が他の締約国による難民の地位の認定を容認することが一般に望ましいという諸代表によって表明された意見に留意しつつ、当該研究にもとづいて、後の会期に、この問題について妥当な見解を示す。
- UNHCRに対し、難民の地位を認定するための手続および基準に関する手引きを――各国政府に指針を与える目的で――発行し、ならびに、難民の地位の認定に関する重要な諸決定を――個別の事案の秘密の性質および事態の特殊性を相応に考慮したうえで――配布する可能性について検討するよう要請した。
*1国連総会文書No.12A(A/32/12/Add.1)に含まれている。