フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は1月28日から2月1日にかけて、ウガンダとケニアを訪れ、南スーダン難民の難民キャンプを視察しました。
南スーダンはアフリカ最大の難民危機に直面しており、その規模は急激に拡大しています。現在、周辺国の中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、エチオピア、ケニア、スーダン、ウガンダに避難しているのは250万人、このまま民族対立が続けば、難民は300万人にも上ると予想されています。
ケニアのカクマ難民キャンプでは、18万6000人の難民が避難生活を送っています。面会した双子のジェイコブとサイモン・リノ(14)は、南スーダンの首都ジュバから逃れてきました。「途中、武装集団が追ってきました。父親と兄は家族に先に逃げるよう言い、彼らを止めようと戻ったところ撃たれて死んでしまいました」とサイモンは当時を振り返ります。ケニアに逃げるため21日間裸足で歩き続け、足はむくみ、傷だらけになっていました。
「多くの人がトラウマを抱え、希望を失いつつあります。また、民族対立を止めることに失敗し、南スーダンの人々は気力を失いつつあります。将来の希望の喪失、これこそ最大の喪失なのです」と、グランディ高等弁務官は難民キャンプで暮らす人々の様子を説明。南スーダンの指導者に対し、責任を認め、和平を実現するよう呼びかけました。
また、ナイロビで他の国連機関と合同記者会見を開き、難民支援のため15億米ドル、南スーダン国内で支援を必要としている人のための支援として17億米ドルの資金の拠出を呼びかけました。集まった資金は難民の受け入れ地域のインフラ投資にも使われるため、地域の住民たちも、新しく造られた道路や診療所、学校、井戸などを使用できるようになります。
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