レバノンに避難したシリア難民がこれまでにないほど困難な状況に置かれていることが、UNHCRがユニセフ(国連児童基金)と国連世界食糧計画(WFP)と共同で行った調査で明らかになりました。シリア内戦の始まりから7年、過去3ヶ月に何らかの形で支援を受けたと答えたシリア難民は3分の2を超え、国際社会からの支援がさらに必要とされています。
報告書によると、一人当たり1日2.87米ドル以下で暮らす家庭は58%、昨年より5%増え、一般的な貧困ライン(1日3.84米ドル)を下回る家庭も、全体の76%に上ります。
また、食費や医療費、家賃などを払うために、10人中9人の難民が借金していると回答。食糧不足も深刻化しており、91%の家庭がその影響を受けています。滞在許可に関しては依然として課題が多く、レバノンでは15歳以上のシリア難民の74%が取得できていません。結果的に不法滞在により逮捕されるリスクが高まり、子どもを学校に通わせたり、医療を受けるのも難しくなっています。
シリア紛争の深刻な影響を受けるレバノンでの経済的自立は難しく、外部からの資金援助のニーズは高まる一方、2017年に集まったのは必要とされる資金の36%しかありませんでした。
レバノンにおける危機対策計画によると、2018年に十分な難民支援を行うにはさらに27億米ドルが必要とされています。深刻化する貧困問題やより困難になる難民の生活が続く中、ドナーからの資金提供が途切れず行われることがこれまで以上に求められています。
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2017年シリア難民に関する報告書はこちら(英語)