フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は11月20日、日本記者クラブで記者会見を行いました。
就任以降3度目の来日となったグランディ高等弁務官は、世界各地にはいまだ解決の道筋が見えない紛争が多くあるとし、同時に難民問題への危機がさらに高まっていると懸念を示しました。
また、世界中から関心が高まっているロヒンギャ問題に関しては、「90年代以降で最も深刻な危機」であると表現しました。9月末の自身のバングラデシュ視察を経て、現地の支援のニーズは、食糧、医療、住居、心のケアなど多岐にわたっているとし、国際社会にさらなる協力の必要性を訴えました。
グランディ高等弁務官は、日本の長年にわたる難民支援に対して感謝の意を述べ、中でも、日本政府が始めたシリア人学生に対する留学生制度は非常に良いプログラムであると評価し、一人でも多くの学生が学びの機会が得られるよう継続してほしいと述べました。さらに、日本にも多くの庇護申請者がいるとして、地域社会やNGOと連携しながら、引き続き柔軟な対応を検討してほしいと要望しました。
今回の来日では、河野太郎外務大臣、上川陽子法務大臣、北岡伸一JICA(国際協力機構)理事長、ファーストリテイリング柳井正会長とも会談を行ったとし、難民問題に対する支援を拡大しながら、共に解決策を模索していくことを約束したと述べました。