UNHCRはこのほど、ナイジェリアへ自主的に帰還する難民の急増を受け、ナイジェリア北東部での活動を強化するために、新たに950万米ドルの資金提供を求める声明を出しました。今年1月から7月にかけて、約13万5,000人の難民がカメルーン極北部のミナワオやコロファタにある避難地を去り、ナイジェリアへ帰還しています。そのほどんどが女性と子どもで、安全上の問題から家に戻ることができず、厳しい状況下でまた避難民となっています。
「早急な対応が必要な緊急事態です。UNHCRは帰還を促していませんが、危機的状況にある人々に対して、私たちは最善を尽くすべきです」と、UNHCRのフォルカー・トゥルク国連難民高等弁務官補(保護)は話しました。
多くの帰還民が、キャンプや、混雑して不安的な一時避難所に滞在しています。ナイジェリア北東部のバンキは特に深刻な状態にあり、多くの避難民が野外で暮すことを強いられ、水や食糧、薬へのアクセスが限られています。
保護を必要とする人々が増える一方で、支援は需要を満たしていない状況にあります。2017年度、カメルーン、ナイジェリアやチャドの支援のために必要とされる支援金1億1795万米ドルのうち、現在までに集まっている支援金は4110万米ドルです。
追加の支援金によって、UNHCRの国境付近での活動を拡大し、保護の監視を強化することが可能になります。また、UNHCRでは受け入れ施設を拡張する計画があり、カメルーン極北部に避難するナイジェリア人に、ナイジェリア国内の情勢を正確に伝えるキャンペーンを実施する予定です。
UNHCRは現在、武力衝突によりチャド湖を越えて避難する250万人以上の難民や国内避難民、帰還民に支援活動を行っています。
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