ジュバ/ジュネーブ/ナイロビ/ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)とUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は8日、南スーダンで衝突が激化し100万人以上の子どもが国を逃れていると発表しました。
「南スーダンのおよそ5人に1人の子どもが故郷を追われているという恐ろしい事実は、この紛争が、国のもっとも弱い立場にある人々をどれほど苦しめているかということを明らかにしています」とユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所代表のレイラ・パカラは述べました。「これに加えて、南スーダン国内で避難民となっている100万人以上の子どもたちがいます。ひとつの世代の未来が、破たんの危機にあるのです」
最新の国連の統計によると、南スーダンから逃れた180万人を超える難民のうち、子どもは62%を占めており、そのほとんどが、ウガンダ、ケニア、エチオピアとスーダンに避難しています。
「南スーダン以上に懸念する難民危機はありません」とUNHCRアフリカ局長のバロンタン・タプソバは述べました。「難民の子どもたちがこの危機を特徴づける側面になっていくのは非常に深刻なことです。私たち人道支援を担う者はすべて、子どもたちの命を守るため、迅速に、献身的かつ持続的な支援を行わなければなりません」
南スーダン国内では、2013年に民族対立が始まって以来、1,000人以上の子どもたちが殺されるか、或いは負傷しました。その間、約114万人の子どもたちが国内避難民となったとされています。
国全体の子どもの人口の4分の3が学校に通えておらず、これは世界で最も高い割合です。
非常に多くの子どもたちが、トラウマ、混乱、恐怖やストレスを経験していますが、これはこの危機がもたらす一部分の要素に過ぎません。子どもは、武装組織への徴用の危険もある中で、伝統的な社会構造が崩れ、ますます暴力、性的虐待や搾取に遭いやすくなっています。
ウガンダ、ケニア、エチオピア、スーダンとコンゴ民主共和国に逃れた、75,000人を超える難民の子どもたちは、保護者の同伴なく、あるいは家族と離ればなれになって南スーダンの国境を越えました。
周辺国に逃れる難民の家族は、身を寄せる場所や安全を求めて逃れているにもかかわらず、雨期の中、適切な避難場所がなく、子どもたちは健康上のリスクと保護の面のリスクに直面するという二重の危機に陥っています。すべての難民の家族が安全な場所で生活でき、食糧、水、保護、教育や医療といった緊急の人道支援を届けるためには、さらなる支援が必要です。
ユニセフは、南スーダンや周辺国の南スーダン難民に緊急に必要な支援のために1億8,100万米ドルの資金提供を呼びかけていますが、現時点で確保できているのはその52%に過ぎません。
UNHCRの職員は、この危機の最前線で、国境を越えて逃れてきた南スーダンの難民への緊急支援活動を行っています。しかしながら2017年における慢性的な資金不足によって、不可欠な支援が遂行できなくなる恐れがあります。UNHCRが呼びかけている資金額7億8,180万米ドルのうち、集まった資金は11%に過ぎません。
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