中央アフリカの首都バンギの空港で避難生活を送る女性と対話するグテーレス高等弁務官。避難する際すべてを失ったというこの女性は、中央アフリカで生活する希望さえも失ったという
© UNHCR/H.Reichenberger
2014年 2月12日 中央アフリカ共和国 バンギ発
私は中央アフリカ共和国(以下:中央アフリカ)で、言葉では言い尽くせないほど深刻な惨劇を目の当たりにした。民族や宗教の違いに基づく大規模、且つ無差別な殺戮行為が絶え間なく続いている。これらの残忍な暴力行為は衝撃的で残虐極まりないものである。
大勢の市民が身の安全を求めて国外へと逃れたが、避難できずに国内にとどまっている人も多い。首都バンギだけでも何千人もの避難民がスラム化した町に過酷な状況で避難している。
新しい大統領のもと新たな政府が始動したが、未だ自国民を守る影響力を発揮していない。法や秩序に基づき治安を回復させることが、中央アフリカの国民を守るための最優先課題である。
国際社会は中央アフリカの治安を迅速且つ効果的に回復へと導くために団結せねばならない。各宗派のリーダーと協調し、関係するすべての者が平和の回復と共存のために尽力せねばならない。
昨年12月からのわずかな期間に約50万人が新たに避難を余儀なくされ、250万人が緊急支援を必要としているこの悲惨極める状況を深く憂慮している。
UNHCRとNGO団体はこの人道的危機の被害者に対し出来得る限りの支援を行っている。しかし支援を継続するための予算の欠如という問題に直面している。
残念なことに中央アフリカの危機に対する国際社会の関心は極めて低い。南スーダンやシリア危機と同じように、中央アフリカの危機的状況を認識し行動を起こすべきである。