第8回UNHCR難民映画祭
2013年9月28日(土)−10月6日(日)
難民をテーマにした国内外からの選りすぐりの作品を無料で上映してきたUNHCR難民映画祭は、たくさんの方のご支援、ご協力のもと今秋の開催で8回目を迎えます。東日本大震災から2年、日本でも社会的・人道的な活動に関心が集まる中、今年も日本、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米発の16作品(うち日本未公開作品は14作品)を上映予定です。
昨年は難民、国内避難民などとして移動を強いられた人々の数は4520万人に上り、1994年以来過去最多数となりました。また、760万人が難民または国内避難民として移動を強いられ、これは、4.1秒ごとに1人が家を追われたことを意味します(UNHCR2012年間統計報告書)。「難民」という言葉を耳にした時に、多くの方々は砂漠や荒野の難民キャンプで暮らすどこか遠い国の人々のこと思い浮かべるかもしれません。しかしながら、上映作品は彼らが故郷を離れざるを得なかった様々な理由と状況を描きだす一方で、家族愛や望郷の思い、孤独など人間としての普遍的な感情をも映しだします。本映画祭の上映作品は、鑑賞後、深い感動や希望、時には悲しみや絶望感に包まれながら、今まで隔たりを感じていた難民たちに対する強い共感を呼び起こし、そして新しい見識に導いてくれる優れた作品ばかりです。
また、今年の映画祭では視聴覚障がい者向けのバリアフリー上映作品も予定しているほか、上映後は国連、NGO職員やジャーナリストなどによるトークイベントも予定しています。メディアの皆さまにおかれましては、本映画祭の情報発信にご協力頂ければ幸いです。
■■■ 映画祭概要 ■■■
タイトル:第8回UNHCR難民映画祭 (8th UNHCR Refugee Film Festival)
開催期間:2013年9月28日(土)−10月6日(日)
会場:都内7ヶ所を予定
主催:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所
パートナー:特定非営利活動法人 国連UNHCR協会
上映内容:世界各国から集められた16作品の上映を予定しております。ドキュメンタリーやドラマを通じて描かれる世界の難民問題にまつわる映画、そのほとんどが日本初上映作品です。
注意事項:
入場無料・先着順入場です。満席の場合は入場をお断りすることがあります。
上映作品・上映スケジュール、トークイベント等については、ホームページで随時ご案内します。
公式サイト:http://unhcr.refugeefilm.org
■■■ 注目作品 ■■■
『シリア、踏みにじられた人々と希望』
日本初上映
原題: The Suffering Grasses
監督: イアラ・リー
アメリカ / 2012年 / 52分 / ドキュメンタリー
2011年3月に中東シリアで勃発したアサド政権の反体制派と政府軍との内戦は、一般市民を巻き込んだ未曾有の人道危機へと発展した。周辺国に逃れた難民の数は既に170万人を超え、425万人がシリア国内で避難を余儀なくされている。監督のイアラ・リーは2012年にトルコのシリア難民キャンプを訪問、インタビューを行った。本作は独創的な手法で凄惨な内戦の様子や、一日も早い平和を望むシリア国民の悲痛な声を浮き彫りにすると同時に、暴力と非暴力運動の狭間で揺れ動くシリアの人々の声を捉え、見る者に平和のあり方についての疑問も投げかける。世界各国7つの映画祭で受賞。
『異国に生きる-日本の中のビルマ人』
監督:土井敏邦
日本/2012年/100分/ドキュメンタリー
バリアフリー(音声ガイド・字幕付き)上映(予定)
民主化改革で近年注目を集めるミャンマー。本作は、難民として東京に暮らすミャンマー人青年の14年間の記録をまとめたものである。主人公チョウ青年は、1991年に軍事政権の弾圧を逃れ日本に渡り、その後20年以上日本で政治活動を続けている。祖国のための民主化運動に奮闘する一方で、家族や故郷への想いを捨てきれないチョウ青年。異国で生きる人々の苦悩や孤独、家族愛、そしてチョウ青年の祖国を思うひたむきな純粋さが見る者の心を打つ傑作。監督は「沈黙を破る」(2009年度キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位)、「“私”を生きる」(2012年度キネマ旬報文化映画ベスト・テン第2位)の土井敏邦監督。
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