ジュネーブ発 いまだかつてない数の難民や避難民が世界中で増え続けている現状に対し、フィ […]
ジュネーブ発
いまだかつてない数の難民や避難民が世界中で増え続けている現状に対し、フィリッポ・グランディ国連高等難民弁務官は、就任後初めての会見で人 を故郷から追いやる紛争や暴力を解決するためには、さらなる外交努力が必要であるとし、「UNHCRは大変難しい舵取りを迫られている」と訴えた。
また「UNHCRが最優先すべきは、強制的に移動を余儀なくされた人であるということに変わりはない。だがそれだけではなく、各国が直面する難民に伴う課題の解決も行っていく」と語った上で、「今以上に厳しくなるであろう状況下においてでも、強制移動の問題を解決しなければならない」と強調した。
南スーダンやシリアなどで続いている紛争の結果として、世界に約6000万人もの難民、国内避難民がいる現状を踏まえた上で、パートナー団体などとの連携をより推し進めていくと明言した。さらに紛争解決のための各国政府による働きかけ、そして難民危機の根本的解決が必要であると訴え、現在100万人以上のシリア難民を受け入れているレバノンをはじめとした 多くの難民を受け入れている国に対しては、さらなる国際社会の支援が必要であると述べた。
また違法な手段ではなく、「第三国定住」「人道的配慮によるビザの発給」、「家族呼び寄せ」といった法的枠組みを整え、難民の安全を確保する必要性を強調した。
昨年は100万人以上の難民、移民が欧州に渡ったことにも触れ、欧州連合が団結し、協力し合いながら支援を行なうよう呼びかけた。
またグランディ高等弁務官は、仮に欧州が難民、移民に対して扉を閉ざすようなことがあれば、世界中の国々同様な対応に踏み切る恐れがあると語った。さらに欧州にいる難民の数は世界の難民数の10%以下であることに触れ「EU諸国はEU域内、そして欧州大陸における危機への対応に懸命に努力しているが、この欧州への大規模な難民の流入によって、難民が抱える課題が解決されていないという事実を世界の富める層が 気づくきっかけとなった」と話した。
グランディ高等弁務官は、UNHCRは治安の安定した祖国へ の帰還を支援する準備もあると話し、特にコートジボワールとコロンビアに関する、帰還実現には和平交渉と和解が欠かせないと語った。
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