トルコ、ハランコーケンリ難民キャンプ、2014年1月17日発
UNHCRは金曜日(17日)、膨大な数のシリア難民を受け入れている各国の政府高官と共に国際社会の団結を訴えた。
この要請は、各国の政府高官とグテーレス国連難民高等弁務官がトルコ南東部にある、1万4000人が避難するハランコーケンリ難民キャンプ(Harran-Kokenli refugee camp)を訪れた際、トルコ、イラク、ヨルダン、エジプト、レバノンの閣僚級担当高官と共に発表した。
声明では、シリア危機によってもたらされた人々の苦悩と地域全体の社会不安、そして全世界の平和と安全への脅威について強い遺憾を示された。大規模な難民の流出はシリアの人道危機が招いたものであると改めて述べるとともに、社会の安定と安全の回復なしでは解決への糸口は見つからないままだと強調した。
共同声明は「紛争の関係者が意見の相違を超え、紛争を収束させるために力を合わせて、政治的解決に向けた確実な一歩が踏み出せるよう1月22日に開催されるジュネーブ会議に臨んでもらいたい。ジュネーブ会議はシリア危機の人道的な問題と、シリアの人びとの苦しみから目を背けることなく行われるべきである。シリア国内で人道支援機関がより多くの紛争の被害者に支援が届けられるよう調整しなければならない。」とのメッセージを明確にした。
また声明は、昨年ジュネーブで開催された国際会議での支援要請を繰り返すとともに、シリア周辺国の負担を軽減させるためにさらなる資金援助の要請と国際社会の一致団結を呼びかけた。
UNHCRと各国代表は保護を求めるシリア難民に対し国境を開放するよう促し、再定住と人道的配慮に基づく難民受け入れのさらなる強化、また家族の再会が円滑におこなわれるようビザ取得などの手続きの緩和に取り組むよう訴えた。
またUNHCRは、シリア難民を多く受け入れている国々に対し、難民のシリアへの帰還が当面難しい状況であることへの理解を求めた。
現在、周辺国には230万人以上のシリア難民が登録されており、そのうち86万9000人はレバノン、60万人がヨルダン、58万2000人がトルコ、21万3000人がイラク、そしてエジプトに13万2000人以上が避難している。各国政府によると実際の人数はさらに多いとみられる。シリア国内で避難している人の数は650万人に上っている。
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