ベルギー、アイルランド、スイス、ウルグアイがシリア難民の人道的受け入れと、第三国定住による支援を新たに表明した。42ヶ国の政府高官による協議の場で新たにシリア難民565人の受け入れを示したことにより、2013年半ばからこれまでに 3万4700人以上のシリア難民受け入れが表明されたことになる。さらにアメリカは人数を限定しない第三国定住によるシリア難民受け入れを表明している。
これまでのところ受け入れは欧州の国々に集中しており、特にドイツは際立って多くのシリア難民受け入れを表明しており、その数は総数の半数以上にあたる。全世界で合計22ヶ国がシリア難民受け入れを表明している。
アントニオ・グテーレス高等弁務官は「シリア難民を積極的に受け入れる機運が継続することを願っている。第三国定住と、その他の人道的受け入れはシリア紛争の犠牲となった人々を支援する上で必要不可欠である。このような取り組みは、これまで難民の受け入れによって社会的・経済的に負担を強いられてきたシリア周辺国に理解を示し、国際社会の結束を表明するものである。」
共同議長をつとめたスウェーデンのトビアス・ブルストローム(Tobias Billstr?m)移民・難民担当大臣は「UNHCRの提唱する第三国定住と他の人道的受け入れ計画に、より多くの国が参加することが重要である。最も支援を必要としているシリア難民を受け入れることはシリア周辺国と、家を追われて保護を必要としている人々に対する国際社会の連帯感を示すものである。」
UNHCRは2014年末までに3万人のシリア難民の受け入れを要請してきた。さらに2015年から2016年にかけ10万人の受け入れの必要性を訴えてきた。UNHCRは今後もシリア難民に対する迅速且つ効果的な保護につながるあらゆる解決策を模索するよう国際社会に働きかけていく。シリア難民の数は今後も増え続けると見られており、家族再統合や、シリア難民の学生への奨学金付与、治療が必要なシリア難民への医療支援なども求められている。
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