UNHCRは今年のナンセン難民賞をコロンビアの勇気ある女性たちに贈ると発表した。この女性団体は、暴力事件が多発し、治安の悪化しているブエナベントゥーラで、家を追われたり性的搾取された人々を支援する活動をしている。
女性の権利団体である「バタフライ」は1000人以上の女性と家族を献身的にサポートして来たことで知られている。
グテーレス高等弁務官は「この女性達は最も困難な状況の中で活動してきた。毎日、自らの命を危険にさらしながらもブエナベントゥーラの傷ついた女性や子どもを癒してきた。」と称えた。
コロンビアには570万人の国内避難民がおり、これはシリアに次いで2番目に多い数である。ブエナベントゥーラは50年以上も武力対立が続いている影響で、コロンビアの中でも最も荒廃した地域である。この工業港湾都市では、暴力が多発し、違法な武装集団による対立によって家を追われた人が多く、女性はその攻撃の対象となっている。武装集団は自分達の力を誇示する目的で、女性や子どもを拷問したり、性的暴行を加えたり、殺害したりしている。
「バタフライ」で活動する女性達は徒歩や、バス、自転車などで、最も危険な地域に住む女性に医療サービスを届けたり、被害者が被害届けを出すための支援をしている。
ナンセン難民賞は9月29日にスイスのジュネーブで授賞式が行なわれ、「バタフライ」を代表して3人の女性に授与される。
ナンセン難民賞は今年60周年を迎える。受賞者には記念のメダルと、ノルウェーとスイス政府から合計10万米ドルが賞金として、受賞者の希望する事業資金に充てられる。ナンセン難民賞は、避難を余儀なくされた人を支援する個人や団体に贈られる。
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