コンゴ民主共和国、ゴマ、2013年3月20日発
紛争が続くコンゴ民主共和国では、マシシ地区の何千人もの国内避難民に対して緊急の人道支援が必要とされている。
2月後半から3月にかけての武装グループ間の衝突により、何千人も(その多くはシェルターに避難していた)キチャンガにある国連平和維持活動拠点地内へ、または他の地域への避難を余儀なくされた。現在地域の安全は比較的安定し、大部分の人が家に戻ったが、そこで彼らが目にしたものは破壊された自宅であった。
UNHCRならびに政府のスタッフは3月14日に該当地域を訪れたが、彼らが目にしたものは食糧、シェルターとなる滞在場所、医療ケアを含む緊急支援の必要性であった。UNHCRはWFPと協働して今月末までにこれらニーズに対する緊急支援を行う予定である。
調査チームにより、カヘならびにマシシ地区のムンゴテ避難シェルターに住む計1万2000人のほぼ全ての国内避難民が紛争を逃れて安全な場所に避難したことが分かった。避難所の一部分は武装グループや市民による略奪や破壊の跡が見られた。主に避難シェルターの設備がターゲットにされ、カヘのシェルターでは63張のテントが放火され、ムンゴテのシェルターでは800枚のビニールシートが盗難にあった。「今度逃げなければならない時は、必ずビニールシートを持って避難する。」と避難民のリーダーは語った。
避難民のリーダーは、「状況は危機的だ。人道支援は2ヶ月も滞り、支援が届くのがもう待ちきれない」と語った。ある女性は彼女たちが直面している不安について語ってくれた。「薪を集めに行くのも危険が伴います。レイプや性差別による暴行の危険と隣り合わせなのです。」
国際赤十字委員会の報告によると、紛争の際550以上の家屋が破壊され、死亡者は88人にのぼり、9000人の市民が国連の活動拠点内に避難した。2000世帯におよぶ計6000人がキチャンガを離れ約85キロ離れた首都ゴマ近郊のシェルターに避難した。カヘとムンゴテに帰還し、自宅が放火されたことを知った多くの避難民はブウィザへさらに避難した。
マシシの危険な状況は、長期にわたりUNHCRやパートナー団体が避難シェルターを訪問し必要な支援を提供することを困難にしてきた。しかし、避難シェルターを含む新たにキチャンガ近郊に避難してきた人々に対応するために、シェルター設備などの緊急の支援が必要とされている。UNHCRはこれらの地域へのアクセスの早急な確保に努め、避難民とその支援者の安全の確保をあらゆる方面に呼びかけている。
UNHCRの調査チームのメンバーが語ったところによると、紛争による暴力はターゲットとなった民族をさらに不安にさせ、キチャンガ近郊の状況は非常に緊迫しており、新たな民族紛争が危惧される。
UNHCRはまた、避難シェルター内に武装グループが紛れていることを懸念し、警備にあたる警察官の増員やより頻繁なパトロール巡回などを行い、武装グループが侵入しないようマシシ地区シェルター内の安全確保により力を注ぐよう政府に対して強く要請した。
現地のパートナー団体によると、マシシの周辺ルシュル地区では、反政府勢力M23における派閥間の衝突により1万2000人が家から逃れ、より安全な場所での避難を求めたことが明らかになっている。パートナー団体との調査チームは今週ルシュルを訪れ、国内避難民とそのおかれた環境、ならびに必要とされる支援の調査にあたる。
国連の公式発表によると、北キヴ州には90万人以上の国内避難民がいる。
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