シリアの首都ダマスカスから5ヶ月前にヨルダンに避難してきた女性ラニヤは、シリアにいたころは会計士として働いていた。だが、ここヨルダンに来てジャーナリストという新たなキャリアを歩み始めた。
彼女のここでの仕事は、シリア難民の状況をラジオを通して伝えることだ。この日はスラム街に住むシリア難民の家族を取材した。「この地域には400から500世帯のシリア難民が住んでいるが、支援がまったく届かない。」という訴えは深刻だ。
ラニヤは言う。「シリア難民が、ヨルダンや難民キャンプ内でどのような避難生活を強いられているかを全世界の人に知って欲しいのです。私自身が難民の一人なので人道的な見地からだけでなく、彼らの気持ちに共感しながらレポートしています。」
ラジオの番組編成の担当者であるヨルダン生まれのシリア人、ノル・アルディーンは言う。「放送する内容はシリア難民に関することばかりです。内容は、彼らの生活の苦しさや、どのようなサポートや支援が必要か、また盗難や児童労働などの問題についてなど多岐に渡ります。」番組はシリア難民の情報源にもなっている。
放送局は、首都アンマンの多くのシリア難民が住む地域にある。このラジオ局から10万人以上のシリア難民が避難生活を送るザータリキャンプは、遠すぎでまだ放送を届けることが出来ないが、難民による難民のためのラジオは徐々に浸透しつつある。(2分15秒)