UNHCR駐日事務所主催によるシンポジウム「アフリカの難民問題−人道支援の一層の強化を目指して」が2013年4月27日(土)早稲田大学国際会議場で開催された。
TICAD V(第5回アフリカ開発会議)のパートナーイベントでもある今回のシンポジウムは、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター/WAVOC (共催) と国際協力機構/JICA (後援) との協力のもとに行われ、TICADプロセスにおける難民問題の重要性を巡り3時間にわたって有意義な議論が交わされた。
シンポジウム前半では、伊藤誠外務省TICADV担当大使、緒方貞子第8代国連難民高等弁務官の開会挨拶に続きジョージ・オコトボUNHCRアフリカ局長の基調講演が行われた。また、ヤンゴー・セベリー・テレウォダ駐日リベリア共和国大使より「平和と開発」に向けて邁進しつつ、難民保護をはじめとする人道的課題に効果的に取り組むリベリアの成功例が紹介された。
シンポジウム後半は、TICADV名誉大使MISIAさんからのメッセージ紹介でスタート。その中でMISIAさんは自身のアフリカ訪問で出会った子供たちの笑顔に思いをはせつつ「沢山の方が世界で起きていることに関心を持ち、考えやアイディアを出し合い、行動をしていくような世界になると素敵だと思っています。」と訴えた。
引き続き行われたパネルディスカッションは片岡貞治早稲田大学国際学術院教授をモデレーターに迎え、アフリカにおける人道・開発支援に第一線で関わる政府やNGOの実務家3人が登壇。それぞれの現場での経験や教訓を共有しつつ、「人間の安全保障」を根底にすえた人道支援と開発援助の一層の連携の必要性を確認し、さらに当事者一人ひとりのエンパワーメントこそがアフリカのさらなる発展の鍵となる点などが議論された。
その後、各国政府関係者、国際機関、NGO、企業、学生など約300人の来場者との間で人道分野での日本の貢献や今後期待される役割についても活発な質疑応答が行われた。
また、シンポジウムには「TICAD V 学生プロジェクト」を中心とした多くの学生が参加し、会場でのパネル展示やプログラム進行などを通じシンポジウムの成功に大きく貢献。特に、「TICAD V 学生プロジェクト」共同代表による力強いスピーチは、TICAD V の成功に向けた若者の決意と熱い思いに溢れ、会場一杯の感動を呼んだ。