ジュネーブ発、5月17日
5月17日(金曜日)、UNHCRはシリア難民が150万人を超えたと発表した。ジュネーブでUNHCR報道官ダン・マックノートンは「シリア紛争は避難を余儀なくされているシリア国民の生活に破壊的な影響を与え続けている。」と強調した。
マックノートン報道官は、これから難民登録を行うシリア難民が多くいると見られ、実際の人数はさらに多い可能性が高いと付け加えた。
また、求められている支援内容と実施できる範囲には大きな隔たりがあり、これが今後の重要な課題であると指摘した。UNHCRは今年初めからおよそ100万人の難民を登録して来たが、これは毎月約25万人登録してきたことを意味する。増大するニーズを受け、来月上旬、国連機関とNGOはシリア問題に対する予算の改定を発表する予定だ。
「今逃れてくる難民の話によると、特に紛争地帯における紛争の激化、治安の悪化が、より多くのシリア国民を難民にしている。この紛争の過去20ヵ月間と比べても、特にここ4ヶ月は、情勢が急激に悪化している。」とマックノートン報道官は続けた。
一方でシリア国内では、UNHCRが地中海沿岸の街タルタスの郊外に位置するザマリンという村に避難している数百世帯の状況調査とニーズへの対応を行っている。この地域の難民は、5月始めに紛争が勃発したラッタキア行政地区のバニアス地区から避難してきた。地元の学校やモスクに避難した人もいるが、大半はザマリンの家庭が受け入れいる状況である。
先週この地域にUNHCRは緊急支援を行い、毛布、マットレス、衛生キット、おむつや生理用品などを支給した。多くの家族は子どもが学校の試験を受けなくてはならないため、バニアス地区へと戻ったという。
国連機関の連携努力もあり、5月4日から11日にかけて、UNHCRのパートナーNGOによって支援活動が行われ、3000人が支援対象となった。UNHCRは4月の初旬からタルタスに常駐しており、現在首都ダマスカス、アレッポ、ハッサケとホムスを含む5都市で活動している。今年の初めよりUNHCRはシリア全体で86万人の国内避難民に支援を届けてきた。
さらにUNHCRはシリア難民を多く受け入れているレバノンで、難民登録を強化した。「毎日4200人を超える人が難民登録のために事務所を訪れ、4月には9万人以上の難民を登録した。2012年の同じ月と比べると10倍以上にも増えている。」とマックノートン報道官は訴えた。
このような状況の中、UNHCRによる難民認定が始まったばかりのレバノン南部をのぞいて、レバノン全体で難民登録の待ち時間が、平均で16日から30日と短縮された。これは、新たに難民登録所を開き、難民登録システムを改善しながら、登録待ちの難民を週に8000人以上登録している。同時に難民登録時における面談が集団でなく個人で行われるよう、面談を受ける難民の交通手段の確保や、職員の増員など体制を強化している。
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