ソマリア・モガディシュ(9月1日)発
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官はソマリアの首都、モガディシュを訪問。支援を迅速に拡大するよう国際社会へ訴えかけた。国内避難民がいるキャンプを訪れたグテーレス高等弁務官は、「紛争と干ばつが同時に起きていることは致命的で、支援も間に合っていない状況にある」と述べ、ソマリア国内における全ての人道支援組織が支援拡大化を図らなければと付け加えた。モガディシュ内とその周辺のおよそ40万人にのぼる国内避難民にとって、支援にたどり着くことすら困難で、毎日を生きて抜いている状態である。過去2か月で、枯れ果てたベイ、バクール、ロワーシャベル地域から10万人以上のソマリア人がモガディシュへと逃れてきた。グテーレス高等弁務官は緊急に救助を必要とする多くの人が野宿している光景をも訪問中に目にしている。支援を受けるのに何日も、何週間も待ち続けている家族もいた。街の人たちからの施しで何とか暮らしている人たちもいるが、その多くは最悪な健康状態にある。
グテーレス高等弁務官は同行した記者たちに、危険な中で人道支援を行うのはきわめて困難であり、活動範囲にも限界があることを指摘した。今後、十分な支援が行き届かないことで、ソマリアの現状が悪化するのではと懸念を述べた。ソマリア人3人に1人が緊急人道支援を必要とし、ソマリア中南部に住む子供たちの3分の1が栄養失調であると国連は推定している。
アルシャバブ軍が撤退して以来、暫定連邦政府とアフリカ連合平和維持部隊の監視が届くモガディシュ中心部の安全性は改善されているが、、国全体への支援が必要であるとソマリア外務大臣は話した。また大統領はグテーレス高等弁務官と会談し、国内避難民のキャンプでのコレラなどの感染への懸念を表した。暫定政府の代表は「即座に国内避難民へ食糧を配給し、手が届かない人たちへも支援を」と訴えた。
詳しくはこちら(英語)