パプアニューギニア・ポートモレスビー(4月30日)発、
パプアニューギニアにおいて自然災害は日常的にある。思いつく自然災害、火山噴火、サイクロン、地滑り、地震、津波、洪水、全て起こりうる。
環太平洋火山帯に位置する途上国のパプアニューギニアは、自然災害対策が不十分であり、UNHCRは自然災害や人災、それに伴う人の移動への対応能力向上プログラムに関わってきた。
日本を拠点に活動するUNHCRのeセンター(国際人道援助緊急事態対応訓練地域センター)の支援のもと、パプアニューギニア政府災害センター主催の災害対策ワークショップが開催された。ワークショップの3日間プログラムには、国や地方の災害管理担当高官を始め、UNHCR、国連開発計画(UNDP)、国連人道調整事務所(OCHA)職員なども参加した。
訓練では、パプアニューギニア東部の火山噴火によって、火山灰が周囲に蔓延し、溶岩の波が近隣の村々を飲み込むといった事態を想定して行われた。マネージャーたちは災害対策を準備し、判断によっては何千人もの命を危険にさらすということを認識しなければならなかった。
32人の参加者は危険を分析し、それぞれの強みと弱点を再確認した上で、各々の担当地域の関係者と対応策を展開しくいことで、スキルと自信を得た。ワークショップには、より深い知見と高度なスキルをもった災害対応の経験者も含まれ、ワークショップで紹介された7つの地方都市それぞれの災害対策作成に貢献した。
参加者は訓練満足した様子で、「州担当官に(ビスマルク海にある)カラカラ島(火山)の災害対応を策定せよと言われたら、今なら問題なく作成できる。このワークショップを通して災害対策を練るための方向性と手段を学ぶことができた」とその実用性を評価した。地方レベルでの災害対策を行う能力の強化は、よりよい準備となり、結果的には被災者に効果的な対応をすることにつながる。
「災害対策プランは、被災者の捜索や救助活動、あるいは先導された食料供給車の列に比べ、地味ではあるが最後には全ての活動をより素早く効果的に遂行することにつながる」と、ワークショップのトレーナーで緊急災害マネージメントの専門家、ジム・グッド曰く、「簡単にいうと、災害対策は人命を救うのだ」
パプアニューギニアには1万人ほどの難民がいる。UNHCRは経済的自立プログラムを始めとする支援を行っている上、パプアニューギニア政府の庇護申請者や難民に対する政策準備にも関わっている。
eセンターは2000年に、日本政府による国連の人間の安全保障基金によって、UNHCR駐日事務所内に設立された、アジア・太平洋地域における人道的緊急事態、特に難民問題に対応する機関・人材の能力向上を目的とするセンターである。世界各地の難民保護や、平和構築の現場などに緊急援助にかかわる人材が、よりよい支援を行えるよう、学びの場を提供している。現在まで延べ、2000人以上の訓練生を受け入れている。
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