レバノン、ベイルート(6月24日)発
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は、レバノン国内にいる難民の保護対策の向上には、レバノン当局との協力が必要であると強調し、2日間のレバノン訪問を終えた。
6月21日、ミシェル・スライマーン大統領、サード・ハリーリー首相、政府高官や議員との会談の中で、グテーレス国連難民高等弁務官は、50万人近くのパレスチナ難民を受け入れているレバノンの課題について理解を示した。
もともとイラクやスーダンから逃れ、UNHCRに難民登録をした9,200 人について、グテーレス国連難民高等弁務官は、法的身分が不安定であり、逮捕・収容・国外退去されるリスクがあると懸念を表明した。公式会談の後、グテーレス国連難民高等弁務官は、「収容は安全上の問題など、異例の事態が発生した場合にのみに使用される手段である」と述べた。
人口460万人の小国であるレバノンは、1951年に採択された「難民の地位に関する条約」の加盟国ではなく、庇護申請者の受け入れに対する政府構造は欠落している。UNHCRがレバノンにおける難民の登録を実施する唯一の機関であり、難民の保護、難民問題の恒久的解決の模索をレバノン政府と共に行なっている。
グテーレス国連難民高等弁務官は、6月18日のシリア訪問を経て、レバノンに到着した。昨年度、10万人のイラク難民を第三国定住プログラムに要請したと発表したばかりである。グテーレス国連難民高等弁務官は、「ほとんどの難民は母国に帰還したいと願うが、紛争が絶えないため、第三国定住が彼らの最後の希望なのだ」と述べた。
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