キルギス・オシュ(6月30日)発、
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は30日、キルギス南部を訪問し、6月半ばに発生した民族衝突による生活の再建とトラウマに直面している何万人もの人から目を背けないよう、国際社会に訴えた。
グテーレス高等弁務官は、帰還民や移動を余儀なくされた人たちのためのオシュ市内の施設で記者会見を開き、帰る家のない人やさらなる暴動を恐れながら暮らす人が抱える困難を訴えた。
「世界はキルギスに不意を付かれた。今後二度とこういうことがあってはならない。ここでは地域社会全体が破砕され、つらい思いをしている。不満感や喪失感が拡大する危険を回避するため、一刻も早く持続的な人道援助を行うことが必要である」とグテーレス高等弁務官は宣言した。
6月半ば以降、何万人もの人が国内避難民として、またはウズベキスタンに逃れたキルギス難民として生活しているなかで、UNHCRはドバイから何百トンもの緊急援助物資をキルギス・ウズベキスタン両国に空輸し続けてきた。
キルギスに戻る帰還民が増加するなかで、焦点はオシュ市内外やジャララバード周辺に避難している人の支援に移行してきている。
オシュでは30日、グテーレス高等弁務官がウズベキスタンから陸路で到着した最初の支援物資輸送団を迎え入れた。輸送団は国連の支援物資が積まれた20台ものトラックからなり、キルギスとウズベキスタンの国境に到着した。
グテーレス高等弁務官はキルギスを訪問し、民族衝突によって強制退去を強いられた何万人もの人にとっての現状を自らの目で確認した。30日にはオシュ訪問のほか、グテーレス高等弁務官はローザ・オトゥンバエワ大統領をはじめ政府高官らと面会した。7月1日にはキルギス南部の他の都市を訪問する予定である。
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