現在はヨルダンのアンマン事務所でシリア難民の登録の仕事をしています。これまでアフリアも含めて5ヶ国、8ヶ所の難民キャンプを訪れました。目の前に苦しんでいる人がいる中で、自分に何もできないという状況が一番苦しいです。自分の祖国に帰りたいという強い意志を持つ年配の方々の話を聞くとき、その悲しみに強く共感せざるを得ません。また、ふらりと難民キャンプにたどり着いてしまった小さな子どもたちに対しても同じです。親が恋しくて泣いたりしていても、UNHCRとしては危険な祖国に帰すことはできず、無力感を感じます。
終わりの見えない難民キャンプで、昨日よりも今日のほうが生活が向上していると感じるときが一番やりがいを感じます。ほんの小さなことであっても難民の方々と何かに一緒に取り組み、達成できた瞬間や、彼らの前向きさに後押しされ、なんとか進んできたように思います。また、自分がこのような現場で事をさせてもらう機会を与えられたことに感謝することが大切だと考えています。
活動を行う生活環境は決して良いとは言えません。エチオピアのへき地で勤務していた時は、アメーバ赤痢や腸チフスでほぼ毎週同僚の誰かが病欠しているような状況でした。水も電気も2、3日に一度しか来なかったり、一歩家の外に出れば、外国人を珍しがる子どもたちにはやし立てられたり、時には石を投げられたりしたこともありました。そんな中でも、同じ意思を持った同僚たちと仕事を一緒にするのはとても楽しかったです。
【TICADVにむけて日本に期待すること】
これまで訪れたどのアフリカの国でも、自分が日本人だと伝えると大歓迎してくれました。そして日本がいかに素晴らしい国であるかを口々に話してくれます。日本の支援によって自分の国がいかに向上したかについても強い関心を持っています。これからも継続してアフリカ全体を支援していくような枠組み作りを期待しています。