日本政府は、令和5年度補正予算からUNHCRの2024年の活動に拠出された約5,030万米ドルのうち、約290万米ドルをポーランドでの支援に充てることを発表しました。この数十年で世界最大の難民危機の1つ、ウクライナ危機が始まって2年以上、日本はウクライナから避難してきた難民が最も必要とする支援を継続してきた国です。
UNHCRは、今回新たに追加となった支援により、特別なニーズを必要とする人へのサービス、法的支援、こころのケア、就労や住居の支援などを通じて、最も脆弱な難民を守り、支えるための活動を強化することができます。
UNHCRポーランド代表のケビン・アレンは「ウクライナで激しい争いが続く限り、難民の存在は決して忘れられてはなりません。ポーランドでも、どこにいても、彼らが安全な場所で前に進めるような後押しが必要であり、そうすることで、受け入れコミュニティへの貢献にもつながります。そしていつの日か、故郷に戻ることを決意し、状況が許せば、ウクライナの再建の力にもなることができるでしょう。そのためには、日本政府からの継続的な支援は非常に重要であり、心から感謝しています」と話しています。
UNHCRのポーランドでの活動に対する日本の貢献は、世界各地での難民支援に対して行われている資金協力の一部です。日本はまた、ポーランドの地域レベルでの草の根活動を支援するための無償資金協力も提供しています。
宮島昭夫 駐ポーランド日本国特命全権大使は「平和が戻ってきたら、私たちはウクライナの再建を支援することができます。でも今は、現在も続く紛争により故郷を追われている人たちの支援が必要です。地理的に日本はウクライナから遠いかもしれませんが、日本国民は、故郷から避難を強いられたすべての人に心を寄せています」とメッセージを寄せています。
ウクライナへの大規模な侵攻から2年がたち、世界で最も多く難民を受け入れている国の1つであるポーランドでは、ウクライナから避難してきた約100万人が難民として登録されています。今もなお、それほど数は多くはありませんが新たに避難してくる人もおり、ウクライナでは依然として情勢不安が続いています。
このような日本の支援は、人間の安全保障への貢献を確かなものとし、それはまさに、ウクライナ危機から生じる不確かさを是正していくうえで重要な原則です。
2024年、UNHCRはポーランドでの活動に総額8,500万米ドルが必要です。2023年は、カナダ、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、日本、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ、そして民間セクターからの寛容な支援により、ポーランド国内で必要な54%の資金を確保することができました。
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