世界で故郷を追われる人の数がこれまでにない規模で拡大するなか、スイス・ジュネーブで3日間にわたる「グローバル難民フォーラム」が開幕しました。
難民をテーマにした世界最大規模の国際会議で、難民の代表、各国政府、民間、NGOなどのリーダーが一堂に会し、世界で1億1,400万人以上、うち3,600万人の難民が直面する喫緊の課題と長期的な解決策への対応を議論する場です。4年に一度開催され、2018年12月の国連総会で採択された「難民に関するグローバル・コンパクト」で開催が定められています。
今回2回目を迎える「グローバル難民フォーラム」では、さまざまな分野のステークホルダーが、難民受け入れ国の負担軽減、難民の自立促進、第三国定住の拡大、安全かつ尊厳ある帰還に向けた環境整備のために、積極的に行動を起こすことを宣言します。
フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は開幕のスピーチで、世界では今、これまでになくさまざまな危機が起こり強制移動へとつながっている、すべての難民が、出身に関わらず、必要な支援を受けることができるよう、そして、命、自由、安全を脅かされ、避難を余儀なくされた人が保護を受けることができるよう、グローバル難民フォーラムを連帯の場とし、今すぐに避難を強いられた人の課題を解決するために力を尽くすことを呼び掛けました。
この連帯と行動の呼び掛けは、共催国スイスのクリスティン・シュレーナー・バージェナー移民副大臣をはじめ、共同議長国のヨルダンのアブドッラー2世国王陛下、コロンビアのフランシア・マルケス副大統領、ウガンダのロビナ・ナバンジャ首相、フランスのカトリーヌ・コロンナ欧州・外務大臣、そして日本の上川陽子外務大臣のスピーチでも強調されました。
また、世界のリーダとともに、故郷を追われた人を意思決定プロセスの中心におくことを確認するために世界各地から約300人の難民が招待され、UNHCRの当事者諮問委員会を代表して、南スーダン難民のデュー・アチュイル・ディデュー氏が力強いスピーチを行いました。
今回のフォーラムの開催中、各国政府、自治体、民間企業、国際金融機関、国連機関、人道・開発機関、NGO、難民主導の団体、宗教団体などのステークホルダーは、世界各地で故郷を追われた1億人以上の人への恒久的解決策に向けて連帯し、財政から物資、技術、政策などの支援を具体的な「宣言(プレッジ)」として提出します。
今回のフォーラムの1日目には、2023年の「ナンセン難民賞」の授賞式も行われました。
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