6月20日は「世界難民の日」。難民の保護と支援に対する関心を高め、世界各地で行われている難民支援活動への理解を深める日です。
2023年5月末時点で、世界で紛争や迫害により故郷を追われた人は1億1,000万人を超えました(プレスリリース)。この厳しい現実に対して、同じ地球に暮らす一人ひとりが問題意識を持ち、#難民とともに 生きる社会の実現に向けて行動していくことが求められています。
2023年の「世界難民の日」にUNHCRが発信したテーマは「#難民とともに 描く希望」。故郷を追われた人々の希望をつなぎ、誰一人取り残さない未来を一緒につくっていく—。日本各地でも「世界難民の日」をきっかけに、故郷を追われた人に対する想い、難民支援の輪が広がりました。
■ UNHCR親善大使MIYAVI
2023年11月で、UNHCR親善大使に就任から6年を迎えるMIYAVI。6月初旬、自身が難民支援に携わるきっかけにもなったレバノンを再訪しました。2016年以来となったレバノンで目にした現実は「まだまだ厳しい」。長引く避難生活、レバノンで続く経済危機、2020年のベイルート港の爆発事故など、難民、そして受け入れコミュニティの前には、さまざまな困難が立ちはだかっています。
他方、UNHCRやパートナー団体による支援で、故郷を追われた人々の生活に光が見える部分もありました。MIYAVIが2015年、2016年の訪問時に出会い、最も印象に残っていた少年ウサマくんとの再会もそのひとつです。当時学校にも通えなかった少年は、第三国定住で家族でスウェーデンに移住し、今は看護師を目指して勉強中。テレビ電話の先にいた青年ウサマは、MIYAVIの言葉を胸に自分で未来を切り開きながら、しっかりと前に進んでいました。
MIYAVIはレバノンで「世界難民の日」に寄せたメッセージを収録。6月20日当日に公開され、難民支援への理解と共感を呼び掛けました。
■UNHCRブルーライトアップ
「世界難民の日」に、日本全国から故郷を追われた人に想いをはせる―。この数年、全国各地に広がってきたブルーライトアップ。UNHCRの呼び掛けに賛同し、今年新たに屋久島町役場や横浜市庁舎などが加わり、UNHCRブルーに点灯したランドマークは44カ所になりました(点灯先はこちら)。SNS上でも #難民とともに のハッシュタグとたくさんのブルーがあふれました。
■なんみんフェス2023 in 渋谷(Youth UNHCR/UNHCR駐日事務所/国連UNHCR協会)
日本各地で難民支援に取り組むユースのアイデアから企画がスタートした、“なんみん”に関するさまざまな情報にふれることができるフェス形式のイベント「なんみんフェス2023 in 渋谷」を開催しました(プレスリリース)。
テーマは「まだ見ぬ世界も、あなたの世界だ」。UNHCRの支援現場で使われている家族用テントの展示、ユース団体などによるブース出展、難民の少女の避難を疑似体験するスタンプラリー、ライブアート、映画上映など、渋谷を訪れた多くの人に難民問題やUNHCRの活動について知ってもらう機会となりました。
■世界難民の日こいのぼり
難民の子どもたちの幸せを願って、2022年に生まれた岡山発のブルーの #世界難民の日こいのぼり。今年はさらに掲揚先が増え、岡山城 天守閣前広場、ルネスホール、文京シビックセンター前、国連大学、那須ハイランドパークでブルーのこいのぼりが大きく空を泳ぎました。その様子はUNHCR本部のウェブサイトの「世界難民の日特別ブログ」でも紹介されました。
■文京区「見て・聞いて・知る『世界の難民』」
東京・文京区の主催で、難民支援の啓発に向けて、UNHCRの家族用テントや写真パネルの展示、世界難民の日こいのぼりの掲揚、ブルーライトアップなどが実施されました。文京区は #難民を支える自治体ネットワーク の署名都市であり、そのほかの署名都市でも、世界難民の日に合わせてイベントやライトアップが行われました。
今年12月にはスイス・ジュネーブ「第2回グローバル難民フォーラム」が開催され、日本が共同議長国を務めることが決定しています。日本の難民支援のリーダーシップが求められるなかで、「世界難民の日」をきっかけに、さらに“社会全体で取り組む難民支援”の動きが広まっていくことが期待されています。