日本政府は、ミャンマーの国内避難民に向けて行うUNHCRの人道支援に対して、総額200万米ドルの緊急無償資金協力の実施を決定しました。
ミャンマーでは2021年2月1日の軍事クーデターにより、国家緊急事態宣言が発出され、国内全土の治安が著しく悪化しています。2月1日以降、国内全土では少なくとも42万5,000人が避難を余儀なくされ、それ以前にすでに移動を強いられていた37万人と合わせると、ミャンマーの国内避難民は80万人近くにのぼると推計されています。
特に、少数民族武装組織などと国軍の衝突が多発している南東部と北西部では、多くの市民が犠牲になっており、2月1日以降の国内避難民の半数以上を占める人が避難を余儀なくされています。
国内全土で通信手段、銀行、医療、サプライチェーンなど人々の生活に必要な各種サービスは滞り、洪水などの季節性の自然災害の影響も相伴って、脆弱な立場にある人々の人道支援のニーズは高まっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、経済の低迷、医療サービスへのアクセスの悪化は進むばかりで、この影響は2022年も続くとみられています。
今回の資金協力を通じて、UNHCRは特に情勢不安が続く南東部と北西部において、故郷を追われた人々の命を守るための保護に加え、非食料援助物資とシェルター資材の提供、即効性のあるプロジェクトの実施などの強化を行います。
ミャンマー国内では依然として安全が確保されずアクセスが難しい地域もありますが、UNHCRは現場にとどまり、パートナー団体と連携しながら、軍事クーデターの影響を受け故郷を追われた一人ひとりの命と尊厳を守るための人道支援を続けていきます。
【主な支援内容】
ミャンマー南東部・北西部
保護:地元のNGOなどとの連携によるコミュニティに根差した保護、モニタリングの強化
非食料援助物資:毛布、蚊帳、ソーラーランプ、ジェリー缶、キッチン用品など
シェルター資材:防水シート、ビニールテープ、スリーピングマット、マットレスなど
クイックインパクトプロジェクト:学校の教室の建設・改修、水と衛生および医療サービスの改善