本日より、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所は“スポーツのチカラ”をテーマとする難民アスリート応援キャンペーン「盛り上げていこう #難民アスリート」を開始しました。
本キャンペーンは、クリエイティブエージェンシー UltraSuperNew(USN:ウルトラスーパーニュー)の協力のもと、難民のより良い未来の実現に向けて、難民支援の現場でのスポーツのチカラを広めるために企画されました。USN制作のデジタル素材の一部は、書道家の永山玳潤(たいじゅん)氏が手掛けています。
2020年末時点で、紛争、迫害、暴力、人権侵害などにより故郷を追われた人の数は世界で8,240万人に達しました。しかし、安全を求めた避難の旅路は、彼らの人生の一部にすぎません。
本キャンペーンでは、難民アスリートのストーリーや生き様、スポーツを通じたコミュティへの貢献などを表現しています。苦境の中でも決してあきらめることなく、未来への希望を持ち続けながら困難を乗り越えてきた難民、そしてアスリートとしての人生は、一人の人間として、一人のアスリートとしての目標の達成、成功にもつながっています。実際に世界各地には、サッカー選手や陸上選手、バスケットボール選手、武道家など、プロの域で活躍している難民アスリートも多くいます。
そして、そんな難民アスリートの活躍は、スポーツへの平等なアクセスが実現してこそです。UNHCRは、各国政府、スポーツ界、人道支援団体、市民社会などのパートナーと連携し、避難を余儀なくされた人々のスポーツへのアクセス、機会拡大のための取り組みを続けています。
スポーツは“レジャー”としての楽しみを超えたチカラがあります。教育の機会の提供や難民の女性・女児のエンパワメント促進などにもつながっており、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも貢献しています。故郷を追われた若者、無国籍者の傷ついた心や体を癒やし、成長を促し、仲間、そして受け入れコミュニティとのつながりを深めるきっかけにもなっています。
UNHCR駐日代表カレン・ファルカスは、スポーツは難民の人生をも変えうる、インクルーシブな社会の実現に向けた強力なツールであるとして、「故郷を追われた人たちが、避難先のコミュニティでもさまざまなスキル、才能をもたらしてくれる存在であることが、このキャンペーンを通じてあらためて実感できます。すべての人がスポーツの機会にアクセスできるような支援がもっと強化され、一人ひとりの才能や情熱、向上心が存分に生かされるような社会が実現されるべきです」と訴えます。
USN のクリエイティブ・ディレクター、セザール・アウグスト・トメ氏は「夢は人類への贈り物であり、前へと突き進むチカラを与えてくれます。USNでは、世間のしきたりを覆すことを常におそれずに、アイデアを大切にし追求し続ければ、より良い世界を築けると信じています」と語ります。
本キャンペーンを通じて、故郷を追われたすべての人が、障がいのある人も含めて、誰一人取り残されることなく平等にスポーツにアクセスでき、それぞれの目指す未来を実現できるよう、皆さんの応援の声を届けませんか。たくさんのご参加、お待ちしています。
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