日本政府は、バングラデシュのロヒンギャ難民、受け入れコミュニティへの支援に対して約1,000万米ドルの無償資金協力を決定しました。
2月28 日、伊藤直樹 駐バングラデシュ日本国大使、柏富美子UNHCRバングラデシュ代表補(事業担当)が首都ダッカで書簡の署名を行いました。
今回の協力によるプロジェクトは3年を予定しており、バングラデシュ政府との連携のもとに進められます。バングラデシュのコックスバザール県テクナフ郡に居住するロヒンギャ難民と受け入れコミュニティが使用する水の供給システムの改善が行われます。
テクナフ郡では、安全な水の供給が長年にわたって問題となっていましたが、近年ミャンマーからのロヒンギャ難民の流入によりさらに問題が深刻化していました。今回の協力により水の供給が安定化され、難民と受け入れコミュニティの生活環境の改善が期待されます。
柏 代表補は日本政府の支援に感謝を示し、「2017年8月以降、ミャンマーからバングラデシュに大量の人が避難した際、最初に対応してくれたのはテクナフ、ウクヒヤ両地区の人々で、シェルター、食料、水などを提供してくれました。バングラデシュでは政府、国民ともに、恒久的な解決策が見つかるまで、脆弱な立場にある人たちを受け入れ続けてくれています。UNHCRは日本政府からの支援を通じて、これからもロヒンギャ難民と受け入れコミュニティへの人道支援を続けていきます」と述べました。
伊藤大使は、「バングラデシュ政府と協力し、ロヒンギャ難民への支援を行ってきたUNHCRに感謝の意を表したい。今回の支援によって、テクナフ郡の難民、受け入れコミュニティ双方の水の供給が改善され、バングラデシュの安定的な発展へ貢献することを望んでいる」と述べたうえで、今後も自由で開かれたインド太平洋を目指してバングラデシュへの支援を継続していくと話しました。
2017年8月末にミャンマー・ラカイン州で暴動が発生し、バングラデシュへの大規模な強制移動が始まりました。以降、日本政府による国際機関・NGOを通したロヒンギャ難民と受け入れコミュニティへの支援は、今回の無償資金協力を含めて1億4,000万米ドルに達しています。
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