フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、ジョー・バイデン米大統領による第三国定住を通じた難民受け入れ数の引き上げ計画を受けて、大変喜ばしい動きであり、後に続く国々への力強いメッセージにもなると話しました。
「バイデン大統領による決断は、間違いなく人々の命を救うことになる。その一言に尽きる」。グランディ高等弁務官は、ワシントンでのバイデン大統領による発表後にそうコメントしました。
「真の強さというものは、思いやりに根差して生まれるものだということを証明しました。アメリカが歴史的にそうしてきたように、これからまた、まさに彼らがその役割を果たしていく。世界でももっとも脆弱な人たちを救い、受け入れるために大切なことです」。
バイデン大統領による今回の声明は、4年連続、同国での難民受け入れ数減少の回復につながることを示唆しています。
現在、世界の強制移動の数は増え続けているにも関わらず第三国定住の数はこの20年で最低を記録。多くが新型コロナウイルスのパンデミックの影響によるものですが、UNHCRは警告を出したばかりでした。
グランディ高等弁務官は「アメリカの第三国定住プログラムの回復を賞賛します。パンデミックによる困難はありますが、今ここで、難民が命を脅かすような現実に直面していることを思い出してほしい。私たちは世界中の国々に対し、第三国定住プログラムの継続を推進していく」と訴えました。
現在、UNHCRが支援対象とする難民約2,040万人のうち、極度に脆弱な状況にあるのは140万人、早急に第三国定住を必要としています。
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