© Mayu Mimura
新型コロナウイルスの危機の中で、世界各地の若者の創造性を生かし、難民支援の輪を広げることを呼び掛けたUNHCRの「ユース難民アートコンテスト」。
世界約100カ国から2,000を超える応募があり、日本でも多くの若者たちが筆を取り、それぞれの想いが込もった約280作品が届きました。
日本からグローバル賞に選ばれた三村真優さん(16歳)に、作品に込めたメッセージ、難民支援への想いを聞きました。
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私が難民問題に関心を持ったきっかけは、UNHCR親善大使のMIYAVIさんです。
これまでもMIYAVIさんの活動を通して、「難民」という存在、そして「UNHCR」の活動にはアンテナを立てていたつもりですが、新型コロナウイルスの問題、アメリカを中心に起こった人種差別の問題に直面する中で、より一層世界に目を向けなければならないと実感しました。
MIYAVIさんは「音楽」というツールを使って難民支援に取り組まれていて、私にも私にしかできない方法で貢献できないかと思いました。私は絵を描いたり、デザインをしたりすることが好きで、ステイホーム期間中も油絵を描いていたので、「ユース難民アートコンテスト」の募集を知ってチャレンジしてみようと思いました。
私の作品は、UNHCRのロゴのデザインと、MIYAVIさんのインスタグラムの投稿で見つけた難民の少年が笑顔で写っている写真(投稿5枚目)からイメージしました。どんなに過酷な状況下でも、あふれんばかりの笑顔を見せてくれている少年に、逆に私たちが勇気や希望を与えてもらっていることを伝えたいと思いました。
私は自分の作品づくりで「シンプルで象徴的なイラストに、どれだけのメッセージ性を持たせるか。そしてどれだけ分かりやすく伝えられるか」をモットーにしているので、それは常に意識しました。最後まで悩んだのは、背景のデザインです。最初は青いハートから光が差しているようなデザインを考えていたのですが、それだとわざとらしすぎると思ったので、色のグラデーションで希望の光を表現しました。
「今もこれから先も、私たちに争っている暇は一切なく、全世界が団結するべき」「子どもの存在自体が可能性であり希望である」。伝えたいことは主にこの2つ。この世界のすべての人が愛を受け取る権利があるということも伝わればと思いました。
受賞を聞いた時は、とにかく現実とは思えませんでした。ほんの小さな力かもしれないけれど、自分の力で世界に貢献できたんだということがうれしくてたまりませんでした。同時に、自分の込めた想いが伝わったんだと感動しました。
自分の作品をプロの方にアニメーションにしていただいて、ただただ驚き感動しました。私の意図をしっかりとくんでくださっていて、うれしくて何度も何度も見てしまいました。
私は、ステイホーム期間中やこのコンテストを通じて「エンターテインメント」のパワーを強く感じました。アートや音楽には人の心を動かす力、人の心を豊かにする力があると思います。と同時に争いやねたみといった負の感情を払拭する力もあると信じています。
確かに「エンターテインメント」は、平和だからこそ存在できていると思います。でも私はいくら生活が苦しかったとしても「エンターテインメント」が当たり前に存在しているような世界をつくりたいと思います。食料や水、医療機関といったライフラインの一つとして、アートや音楽が存在していてほしいと思うんです。また、「難民問題」という一見難しそうなこともアートや音楽を通じてなら、よりたくさんの人に伝わるんじゃないのかなと思います。これはUNHCR親善大使のMIYAVIさんから学んだことです。
私はこれからも自分の生み出したデザインや作品で、難民支援に貢献したいです。どこまでできるのか分かりませんが、自分自身ができることを精一杯やっていきたいと思います。
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