2020年4月1日、ウズベキスタンに歴史的な瞬間が訪れました。シャフカット・ミルジヨーエフ大統領の承認を経て、新たに「国籍法(Citizenship Law)」が制定されたのです。
この法律は、1995年1月1日以前にウズベキスタンで永住権を与えられた、登録のある無国籍者に国籍を付与するというもの。これで、ウズベキスタンの無国籍者の約半数、推定4万9228人が国籍を取得でき、該当者の子どもに対しても同様の措置が取られることになります。
UNHCRはこの新たな法律を歓迎し、当局に対して、準備段階から法案への助言を行ってきました。
そのほかにも、無国籍の発生を防ぐために重要な条項が盛り込まれており、簡略化した国籍の取得の手続きも初めて導入されました。今年9月から実施され、1995年1月1日以降に永住権を取得した無国籍者に適用されます。
「ウズベキスタンは近年、無国籍問題の解決、さらなる発生の防止を目指し、積極的に取り組みを進めてきました。その結果、無国籍撲滅に向けて大きく前進したのです。これで、何万もの人が国に”属する”ことができます」とUNHCR 中央アジア地域事務所の織田靖子代表は話します。
ウズベキスタンは3年以上にわたり、無国籍者への国籍付与について議論を続けてきました。世界の出生登録の基準に沿って、証明書を持たない両親のもとに生まれた子ども含め、国の出生登録システムの改定も行いました。また、出生登録が行われていないすべてのケースを確認し、登録につなげるため、国を挙げてキャンペーンも実施してきました。
現在、ウズベキスタンでは9万7346人の無国籍者が確認されています。国内、そして中央アジアの無国籍者の大部分は、1991年の旧ソ連崩壊の影響を受け、新たにロシア連邦が誕生したことで無国籍となった人々です。
多くの人は新しい国家のもとで国籍を獲得することができましたが、新しく引かれた国境の間に取り残され、無効の旧ソ連のパスポートしか持たず、どこで生まれたのか、住んでいたのか証明する手段のない人も多くいました。
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