「これが今、何百万もの人が直面している生死の現実です」。ベネズエラから400万人を超える人が逃れてきているコロンビア。今年6月に現地を訪れたアンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使はこの深刻な人道危機に対する懸念を訴えます。
「今、この地域ではかつてないほどの人道支援が求められています。責任を負うことを恐れない、合理的な思考、リーダーシップが必要なんです」
ジョリー特使にとっては、65回目となるUNHCRの現場視察。コロンビアは、2002年に隣国エクアドルでコロンビア難民と出会ってから、長年訪問を望んでいた国でした。
ジョリー特使が訪れたのは北部の都市マイカオ。ベネズエラとの国境から10キロ、今年3月にUNHCRとコロンビア政府が設立した施設では、最大30日間、ベネズエラから逃れてきた人たちに対して、シェルターや食料、法的支援、子ども向けの活動、医療・心理面の支援などを提供しています。
現在は350人、今後その支援規模を1400人まで拡大することが計画されています。
コロンビア随一の貧困地域といわれるリオハチャでは、UNHCRがパートナー団体と支援を続けるシェルターを訪問。性暴力や人身売買の被害にあったコロンビアとベネズエラの若者たちが暮らしています。「私たちはここでは守られている。自分が尊重されていると感じられるんです」。コロンビアから逃れてきた17歳の少女は話します。
国境近くの非公式のシェルターでは、1カ月前に到着したばかりのリンダ(60)がジョリー特使に歩み寄り、涙ながらに自らが経験した危険な状況を伝えました。「飢餓で多くの人が死の際にいる。私も家族みんなでも避難せざるを得なかったんです」。
カリブ海に面したコロンビアの美しい街も、厳しい状況に直面しています。1日の食料を求めて18時間も並ばなければならず、教育の機会も限られているといいます。
ベネズエラから追われた人たちの支援は国際社会が取り組むべき優先事項。ジョリーUNHCR特使はさらなるサポートを呼びかけています。
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