「この辺りには、もっと街灯が必要よ。そうすればトイレにも行きやすくなるし、お店も夜まで営業できるようになるから」
そう話すのは、バングラデシュ南東部コックスバザールに逃れてきたロヒンギャ難民のタンジマ(28)。世界最大規模の難民居住区といわれ、約62万人が暮らすクトゥパロンで区画リーダーを務めています。
3児の母でもある彼女は、その区画で暮らす難民たちの要望を集め、バングラデシュ政府や支援団体に伝える活動をしています。「私たちは、キャンプで暮らすみんなの“声”なんです」。
この辺りでは3万人以上の女性が一家の大黒柱となり、共に逃れてきた家族の家計を支えています。UNHCRは難民居住区の運営に女性たちを巻き込み、生き生きと活躍できるような場を提供できるよう後押ししており、実際に多くの女性が活躍しています。
ヌール(20)もその一人。UNHCRとパートナー団体BRACの支援によって建てられた小学校で、1年生と2年生を教えています。「自分が知っていることを子どもたちに教えるのはすごく楽しいし、逆に私が学ぶことも多いんです。他の先生に英語を教えてもらったりすることもあるんですよ」と楽しそうに語ります。
新しくできた2階建ての学習センターで、算数と家庭科を教えているサミア(21)は、厳しい避難生活が続くなか、せめて1歳になる娘には、きちんと教育の機会を与えたいと願っています。
UNHCRはバングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民の女性たちが、避難先でもさまざまな役割を担い、自身の権利を守ることができるようサポート。避難先での過酷な生活が、一人ひとりの女性にとって、意味のある日々になるよう願っています。
※難民保護の観点から仮名を使用しています。
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