10月下旬、アンジェリーナ・ジョリーUNHCR特使は、ベネズエラの経済危機の影響を視察するためにペルーを訪れました。現在、中南米では史上類を見ない規模の人の移動が起こっており、ペルーはその影響を一番に受けている国の一つです。
ジョリー特使は、2018年8月以降、エクアドル経由で1日2000人が避難してきている北部トゥンベスと首都リマを訪問。子どもから大人まで、1日数百人に温かい食事を提供する修道院、国境沿いの検問所や避難所などを訪問しました。
「医療サービスを受けることができず、命を落とした人も多くいると聞きました。がんの治療を中断せざるをえなかったり、インスリンを手に入れることができない糖尿病患者、薬がない子どもたち、飢えに苦しむ人、迫害や暴力を受けた人など、状況はとても深刻です」
一方で、ダンスと文化を通じて現地の人たちと交流する若者たちの活動、移動を余儀なくされた人々への保護などの取り組みを通じて、受け入れコミュニティのペルーの人々による寛大な対応も確認しました。
ジョリー特使は、マルティン・ビスカラ大統領や人道支援に尽力する政府や団体の代表とも面談。ペルー政府がベネズエラから逃れてきた人々に法的保護や基礎的なサービスを提供していることに感謝の意を伝えるとともに、中南米地域の問題解決に向けた一歩として、エクアドルで行われているプロジェクトについても意見交換しました。
「難民支援の基本理念において、何よりも大切なのは、難民や庇護申請者の切実な声を拾うための制度や資源などを整備すること。法秩序や人権の尊重、国際的保護、難民認定制度などの強化が極めて重要です」
ジョリー特使は、中南米で起こっている人道危機の状況を改善するためには、国際社会からのさらなる支援が必要であると訴えています。
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