2018年10月末、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、UNHCRとグローバルパートナーシップを結ぶ株式会社ファーストリテイリング(FR)の柳井正代表取締役会長兼社長と東京で会談を行いました。
グランディ高等弁務官は、「現在、6,850万もの人々が強制的にふるさとを追われている。この数は第2次世界大戦後最大であり、まだ増え続けている。現状を変えるためには、UNHCRにとって民間企業からの支援は不可欠であり、難民とUNHCRに対するFRの包括的な支援は、他の企業のお手本となるだろう」と述べました。
これに対し、柳井氏は「難民問題には全世界で取り組むべきであり、UNHCRとのパートナーシップを通しての難民支援はグローバル企業としての責務だと考えている。FRはこれからも、UNHCRの目的達成のために、常に必要な支援を積極的に行っていく」と応えました。
UNHCRは2011年、アジアの企業として初めてFRとグローバルパートナーシップを締結。リサイクル衣料の寄贈をはじめ、難民の雇用や自立支援、資金援助、アドボカシー・教育啓発などを実施してきました。
また、従業員を世界各国のUNHCR事務所に派遣するなど、包括的な難民問題の解決に向けて企業の強みを活かした支援が行われています。近年のFRのUNHCRへの貢献は、民間企業の世界トップ3に入っています。
これまでユニクロおよびジーユーで回収された2500万点以上の衣料がUNHCR活動拠点46カ国の難民・国内避難民に届けられたほか、RISE (Refugee Inclusion Supporting Empowerment) プログラムを通じて現在65人の難民が世界各地のユニクロ店舗で働いています。
また、2016年からの3年にわたる自立生計支援プロジェクトを通じて、アジア5カ国(イラン、インド、ネパール、パキスタン、マレーシア)で2017年末までに1万3,187人の難民が職業訓練や就業支援の機会を得ました。
2013年から実施されているユニクロ社員による学校への出張授業「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」により、全国で延べ12万人以上の生徒が服を通じて難民について学びました。
さらに、柳井氏はロヒンギャ難民への緊急支援に対し、2017年に続き、2018年も約1億円の寄付を表明しています。グランディ高等弁務官は、FRと柳井氏に深い感謝の意を述べるとともに、民間企業による難民問題解決のリーダーシップを引き続きとってほしいとの期待を伝えました。
▶ UNHCRとFRのパートナーシップ(英語)
▶ UNIQLO x UNHCRの難民支援(YouTube:日本語字幕)
▶ 「自立生計支援プロジェクト」2017年 活動報告書
▶ FRの難民支援