UNHCR/JICA共催 シンポジウム
難民に関するグローバル・コンパクト:社会全体としての取り組み-日本からの提言
~TICAD 7に向けて~
2018年10月27日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と独立行政法人国際協力機構(JICA)は、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官の来日にあたり、公開シンポジウムを開催いたします。
世界で移動を強いられた人々の状況は近年、大幅に悪化しています。避難を強いられている人の数が過去最高を記録し、難民がおかれている状況がその範囲と規模、複雑性のいずれにおいても深刻化するなかで、さらに多くの難民が、保護と支援、そして解決策を必要としています。経済や開発面で課題を抱えている低・中所得国で長引く避難生活を送っている難民も多くいます。また、世界各地で国境の閉鎖や厳しい難民・移民政策が適用されており、難民保護を取り巻く環境も悪化の一途をたどっています。各国のこれまでの貢献やそれぞれができることを考慮し、難民受け入れと支援に関する責任を世界全体でより公平に分かち合うことが急務といえます。
2016年、歴史的な合意といえる「難民と移民に関するニューヨーク宣言」において、2つのグローバル・コンパクトを通じて、難民・移民への支援を体系的かつ持続可能な形で実施していくことが取り決められました。「難民に関するグローバル・コンパクト」 は、分裂を深める今日の世界で多国間主義の重要性を前面に出しながら、難民の大規模な移動と長引く避難生活への国際的な対応を強化する絶好の機会を提供するものです。また、日本を含むさまざまな主体による支援と国際社会における連帯のネットワークの構築も求めています。「難民に関するグローバル・コンパクト」は、 2018年末までに国連総会で採択される見込みです。
UNHCRが全世界で支援している難民約1,200万人のうち、ほぼ半数をアフリカ諸国が受け入れていますが、避難生活は長期化しています。また、多くのアフリカ諸国は、戦争と迫害を逃れた人々を受け入れることにより世界に模範を示してきましたが、難民支援に対する支援は、国際的な責任の共有と連帯によって補完されるべきです。今回のシンポジウムは、 「難民に関するグローバル・コンパクト」 と2019年に開催される 「第7回アフリカ開発会議(TICAD 7)」 の橋渡しを行うものでもあります。アフリカにおいてCRRF*(「包括的難民支援枠組み」)を実行するために、人道支援と開発援助の連携(ネクサス)を推進し、また革新的なアプローチを導入することにより、大きな変化がもたらされています。
国際社会における責任共有の原則のもと、「難民に関するグローバル・コンパクト」 から私たちが共に成果を得るためには、何が必要なのでしょうか。難民と受け入れコミュニティに対し適切かつ実践的で、しかも包摂的な支援を実現するために、社会全体としてどのように取り組めばよいのでしょうか。難民の受け入れ国に対して、どのように難民支援と関連する社会経済的課題について責任を分かち合うことができるでしょうか。そして一連のプロセスにおいて、難民のリーダーシップと参加をいかにして確保すればよいのでしょうか。こうした課題について、グランディ高等弁務官を交え、日本政府、JICA、NGO、民間企業、学術機関そしてメディアの参加者とともに議論します。ぜひご参加ください。
*CRRF(Comprehensive Refugee Response Framework)とは、2016年9月に国連総会で採択された「ニューヨーク宣言」の附属書Ⅰに記載された、移民と難民の保護を促進するための国際的な枠組み。
<日時・場所>
日時: 2018年10月27日(土)10:00~12:10 (受付開始・開場 9:30)
場所: 国連大学 ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)
主催: 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)/独立行政法人国際協力機構(JICA)
言語: 日本語、英語 (同時通訳あり)
後援: 外務省
プログラム(総合司会:石川 幸子 JICA国際協力専門員)
受付開始・開場(9:30)
開会挨拶(10:00-10:05)ダーク・ヘベカー(UNHCR駐日代表)
基調講演(10:05-10:35)フィリッポ・グランディ(国連難民高等弁務官)
パネルディスカッション(10:35-11:40)
<モデレーター> 二村 伸(NHK解説委員)
<パネリスト>
紀谷 昌彦(外務省国際協力局参事官兼アフリカ開発会議(TICAD)担当大使)
小向 絵理(JICA国際協力専門員)
ブライアン・バーバー(ニューヨーク州弁護士/ Act for Peaceアジア太平洋地域難民保護アドバイザー)
新田 幸弘 (株式会社ファーストリテイリング グループ執行役員、サステナビリティ部)
新垣 修 (国際基督教大学教養学部教授)
質疑応答(11:40-12:00)
クロージングスピーチ(12:00-12:10) 本清 耕造(JICA理事)
▶ プレスリリースはこちら(PDF)
<本件に関するお問い合わせ>
UNHCR駐日事務所 広報官・守屋 03-3499-2042