UNHCRの生体認証ソフトウェアを活用し、難民登録を強化しているウガンダ政府。目指しているのは、100万人を超える登録が完了し、すべての難民が必要とされている支援や保護を受けられるようにすることです。
コンゴ民主共和国から逃れてきたジェニファー(32)と娘のグローリア(7)は、オルチンガ難民居住地で指紋と瞳の虹彩(こうさい)により登録を受けた最初のグループです。ジェニファーはこの生体認証登録を、“未来につながるカギ”だといいます。「“故郷”を呼べる場所がない私たちは、難民登録を通じて、ここが自分たちの居場所だと実感することができます」
これまで人質にされるなど過酷な経験をしてきたジェニファーは、神にこう祈り続けました。「もし私を助けてくれるなら、他の人を助けることを私の生涯の使命とします」と。この約束を守るため、ウガンダに逃れてから、UNHCRや地元のNGOの支援を受けて立ち上げた女性グループが「エンジェルス」。このグループが今、この地域の難民女性たちの生活に変化をもたらしています。
エンジェルスのメンバーは毎週金曜日に集まり、難民女性のビジネスチャンスについて話し合います。一人ひとりが資金を出し合い、ビジネスのために必要としている女性たちに投資し、利益を還元してもらうという仕組みです。
ジェニファーがウガンダに逃れてきたばかりのころは、タンザニアの国境を越えて薪を探しに行く途中、性的被害を受ける女性が多くいました。でも彼女たちには今、自分たちでビジネスを立ち上げるチャンスと資金源があります。
「難民はただ食糧が必要なわけではありません。もっと力をつける必要があります」
ジェニファーは木炭を売るビジネスに加え、生体認証システムによる難民登録を手伝うことで1日15000ウガンダシリング(約4ドル)を稼いでいます。そして、自分と同じような経験をしている女性たちを助けたいと、そのいくらかを「エンジェルス」の活動に出資しているのです。
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