フィリッポ・グランディ高等弁務官はこのほどリビアを訪問し、戦闘や政情不安、経済崩壊などに起因する人道危機の悪化に対応するために、リビアでの支援活動を拡大すると表明しました。戦闘で約30万人が避難を余儀なくされているほか、130万人以上が人道支援を必要としています。
法や秩序が崩壊し、医療サービス、薬、食糧、安全な飲み水、住居、教育などが不足する状況が続いています。こうした状況を受け、UNHCRは人道支援を拡大するほか、国際移住機関(IOM)との協力を強化しています。
情勢不安に加え、地理的要因により、リビアは、密航業者が難民や移民を乗せ地中海からヨーロッパに渡る際の出発地となっています。今年これまでに地中海を渡る際に死亡、または行方不明になった人は1364人に上ります。UNHCRはパートナー団体と協力しながら、地中海での救助にも力を入れています。また、収容されている難民や庇護申請者への支援も実施し、恒久的解決策を模索しています。
収容施設を視察したグランディ高等弁務官は「難民や移民が厳しい環境に置かれていることにショックを受けました。すでに多くの苦しみを経験している人々に、この厳しい環境での生活を強いるべきではありません。支援を必要としている人へのアクセス、そして効率的な支援の提供は常に困難な状況となっています。支援対象者、そしてUNHCRの職員はものすごい緊張とリスクの下に生活を送っています」
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